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1 だいしょや
2 はじめ まして
3 これ は だいしょや と いう ぶんしょ さくせい そふとうえあ の がめん
4 ひょうじ です。
5 まず だいしょや を つかって `はじめ まして’ と かいて みましょう。
6 みぎ はし に ひらがな が ごじゅうおん じゅん に たて に ならんで います。
7 かせん は くうはく すぺーす を しめし ます。
8 やじるし を みぎ に よせる と もじ が がめん を よこぎり ながれ だし ます。
9 それぞれ の もじ は しかくい わく に はいって おり、 その わく を かくだい
10 する と あらた に ひらがな いっしき が あらわれ、その ひらがな の もじ
11 それぞれ の なか に また ひらがな いっしき が はいって いる、 と いう ぐあい
12 に、いれこ しき に つづき ます。
13 だいしょや の いちばん おもしろい とくちょう は、 ある もじ が
14 ぶんしょう ちゅう つぎ に でて くる かくりつ が たかけれ ば たかい ほど、
15 その もじ の しかく わく が おおきく ひょうじ され ながれ て くる、と いう
16 ところ に あり ます。
17 かくりつ は その じてん まで に さくせい された ぶんしょ から けいさん され
18 ます。
19 つぎ に でて くる かくりつ の たかい もじ は おおきい わく で ながれ て くる
20 ので、 たいてい の ばあい、 つぎ から つぎ へ と らく に もじ が ひろえる
21 こと に なります。
22 それ どころ か、 たんご の かしら いち に もじ を かく と、 その あと は
23 そふとうえあ が さとって じどう てき に たんご ぜんたい を しあげ て ながし
24 て くる こと も めずらしく あり ません。
25 やじるし は みぎ に よせれ ば よせる ほど もじ の ながれ が はやく なり、
26 ひだり に もどせ ば おそく なり ます。
27 もじ を ひろう に は やじるし を じょうげ させ ながれ て くる ところ を
28 まちぶせ すれ ば よい の です。
29 ちょっと じどうしゃ の うんてん に にて います ね。
30 おのぞみ の もじ が みえない ばあい は、 ごじゅうおん じゅん で その もじ が
31 ある べき かしょ に やじるし を もって いって ください。
32 じき に ひょうじ が あらわれる はず です。
33 この じっけん は だいしょやの つかいかた が よく わかる よう に わざ と
34 ゆっくり に して あり ます。
35 すこし れんしゅう なされ ば、 すらすら と かける よう に なる でしょう。
36 つかい やすく、 つかい たのしい そふとうえあ だいしょや。
37 ぜひ いちど お ためし ください。
38 けものは、からだじゅうに けが
39 はえて いる どうぶつのことです。
40 きつねも けものの なかまです。
41 けものは あかちゃんで うまれて、
42 おちちを のんで そだちます。
43 さむい ところに  すむ  けものには
44 けが  いっぱい はえています。
45 けは おーばーのように あたたかです。
46 あつい ところでは、
47 けは  みじかく
48 うすく  はえます。
49 いちねんに  いちど、
50 さむく  なる  まえに、
51 みじかいけと
52 ながい  けが
53 はえかわります。
54 けものは おとなに なると
55 じぶんで たべものを とります。
56 けものには、ほかの けものの にくを
57 たべる けものや、くさや きを たべる
58 けものなどが います。
59 きのうえで  くらす  りすの  おかあさんは、
60 かたい  きのみ  ばかり  たべています。
61 でも、やっぱり  おいしい  おちちで
62 あかちゃんを  そだてます。
63 このように、 けものは、 なにを  たべても、
64 おかあさんからは  おいしい  おちちが
65 でて、 あかちゃんが  そだつのです。
66 けものは たべものの あるところなら
67 せかいじゅうに すんでいます。
68 しまうまは あふりかの
69 ひろい そうげんにいて、
70 じめんに はえた くさを たべて
71 くらす けものです。
72 てきが きたとき、はしって にげるために、
73 ながい  すまーとな あしを もっています。
74 さいも くさを たべる けものです。
75 でも、あまり はしるのが
76 とくいでは ありません。
77 だって、こんなに おもくて おおきな
78 からだですから。
79 てきが きても にげません。
80 からだごと ぶつかっていきます。
81 ぞうは さいよりも からだが おおきくて
82 おもい けものです。
83 からだが おおきいから すぐ
84 おなかが へります。
85 いつも たべていなければ たいへん。
86 じめんの くさだけでは たりません。
87 からだを あまり うごかさずに、
88 ながい はなを つかって、
89 まわりの きのはや えだまで たべます。
90 ぞうの  はなが もしも みじかくて、
91 じめんの くさしか たべられないとしたら、
92 ぞうは おなかが ぺこぺこになって
93 しんでしまうでしょう。
94 きりんは せの たかい けものです。
95 ほんを よこにして みてください。
96 たかい きの、たかい ところの
97 はっぱは とても やわらか。
98 それが きりんの だいこうぶつ。
99 くびを のばして たべているうちに、
100 いつのまにか きりんの くびは
101 こんなに ながーくなって しまいました。
102 くさや きのはを たべる けものたちは、
103 いつも くちを もぐもぐもぐ。
104 でも、きのかげで  ぐーぐー
105 ひるねを している けものがいます。
106 らいおんです。
107 おなかが へると うおー。
108 はしって にげる すまーとがたの
109 けものたち。
110  らいおんは はさみうちにしたり、
111 おいかけたりして つかまえます。
112  でも、しまうまやきりんは あしが
113 はやいし、ぞうや さいは こわい。
114 らいおんも、たべものを とるのに
115 たいへんなんですよ。
116 こわいけど
117 けものを たべる けものが
118 いないと たいへんです。
119 くさや きや はっぱを たべる けものが
120 どんどん  ふえて
121 たべる くさや きがなくなって、
122 みんな うえて しんでしまいます。
123 だから...... けものを たべる けものを
124 きらわないでくださいね。
125 はしっても おそい。
126 からだは おおきく ない
127 がんじょうでも ない。
128 そんな けものも います。
129 やまあらし......。
130 でも けが はりに かわって
131 てきが たべようとすると
132 さしてしまいます。
133 よわいようで つよい つよい
134 かわった けものです。
135 うみには  たべものが  いっぱいです。
136 その  うみに  はいっていって、
137 うみで  くらしている  けものが、くじらです。
138 さかなのように  およいでいるうちに
139 さかなのような  からだに  なってしまいました。
140 けも すっかり なくなって  つるつるです。
141 でも ひふが 30せんちめーとるもあって
142 さむく ありません。
143 けものは、じめんの なかにまで いて
144 くらして います。
145 みみずや こんちゅうの こどもを
146 たべて います。
147 からだの かたちは じめんの なかで
148 くらしやすいように なって います。
149 とりのように
150 そらを とぶ けものは、こうもりです。
151 よる たくさん とぶ こんちゅうを
152 たべたくて、
153 こんな からだに なりました。
154 だって、ひるまは とりが いますし、
155 こうもりを たべる けものも
156 たくさん いますから。
157 かんがるーの あかちゃんは、
158 ほかの けものの あかちゃんのように
159 じょうぶでなく、まだ
160 よわいままで うまれます。
161 かんがるーは、しばらく
162 おかあさんの ふくろの なかで
163 おちちを のんで おおきくなる
164 かわった けものです。
165 とても りこうな けものが います。
166 るいじんえんです。
167 だいすきな くだものを とるのに
168 ぼうきれを つかうことが あります。
169 からだは さるよりも
170 ひとに にて います。
171 ひとも けものなんです。
172 そうでしょう。
173 けが  あります。
174 おちちで そだちます。
175 ただ、
176 けものの なかで
177 いちばん りこうな けものです。
178 くらしやすいように くふうしたり、
179 たべものを つくりだしたり、
180 ふやしたり
181 たのしく くらせるように かんがえる
182 けものです。
183 からだに けが はえて いて
184 けものなのに、まるで とりの
185 ような どうぶつです。
186 でも、あかちゃんは
187 おちちで そだちます。
188 "01.SJS", 1: 
189 けものは、からだじゅうに けが
190 はえて いる どうぶつのことです。
191 きつねも けものの なかまです。
192 けものは あかちゃんで うまれて、
193 おちちを のんで そだちます。
194 さむい ところに  すむ  けものには
195 けが  いっぱい はえています。
196 けは おーばーのよう\rとりとは、つばさを  もっていて  そらを
197 とべる  どうぶつのことです。
198 とりの  からだは、とても  かるい  うもう
199 と  いうもので  つつまれて  います。
200 とりは、つばさを  はばたいて  そらを と
201 び、たべものを  さがします。
202 とりは、とんで たべものを とらなければ な
203 りません。
204 おかあさんとりが、にんげんのように おなかの
205 なかで あかちゃんを そだてるとしたら、おか
206 あさんどりは おもくて そらを とべません。
207 だから、ひとめに つかない ところに すを
208 つくって たまごを うみ、あたためて ひなが
209 かえるのを まちます。
210 たまごから かえった ひなは、やがて うもうが は
211 えて、すから でるように なります。
212 でも、まだ とべません。
213 おかあさんの とぶのを みたり、えさを もらったり
214 して いるうちに とべるように なります。
215 とりは たべるものに よって、か
216 らだの かたちが ちがいます。
217 とんでいる こんちゅうを たべる
218 つばめは、とても はやく とばな
219 ければ なりません。
220 いつのまにか じぇっときのような
221 りゅうせんけいに なりました。
222 そとうみの さかなを たべる あほうどりは、ながい
223 つばさを もって います。
224 ながい つばさの おかげで、あほうどりは はばたかず
225 に うみの うえを すべるように とんで いられます。
226 さかなを みつけると とびながら くちばしで つかみ
227 ます。
228 つばさが おおきくて ながい わ
229 しは、おおぞらを ゆっくり まわ
230 りながら、えものを さがします。
231 みつけると、きゅうこうかして つ
232 かまえます。
233 わしは、ちいさな けものを たべ
234 る とりです。
235 はなの みつが だいすきな とりは はちどりです。
236 はちどりの つばさは くるくる まわります。だから へりこ
237 ぷたーのように くうちゅうで おなじところに いられます。
238 はなの みつを すうのに べんりです。
239 はちどりは せかいで いちばん ちいさな とりです。
240 とりの せんぞは、とかげの なかまです。
241 とても はやく はしれる どうぶつでした。
242 こわい てきが いっぱい いたので、すば
243 やく うごかなければ なりませんでした。
244 きの うえを とびまわって いるうちに、
245 わきの したの うろこが だんだん ふえ
246 て のびはじめました。
247 そういった どうぶつの なかから、とぶの
248 に もっと つごうの よい なかまが あ
249 らわれました。
250 うろこは のびて ほそながい かるい う
251 もうに かわって います。
252 ほとんど いまの とりの すがたをして
253 いましたが、はばたいて とびあがることが
254 できないので きの うえから おりるだけ
255 でした。
256 いま、とんでいる とりは みな
257 はばたいて とびあがれます。
258 まえあしが つばさに かわって
259 しまい、むねの つよい きんに
260 くを つかって はばたくことが
261 できるからです。
262 きよくあじさしは とりの なかで いちばん はやく、とおくまで
263 やすまずに とべます。つばめよりも もっと りゅうせんけいで、
264 だんがんのように とびます。
265 ほっきょくに すんで いますが、ふゆに たべものが なくなると、
266 なんきょくまで とんで いきます。
267 きじは からだが おもいので ひつような とき
268 いがいは とびません。
269 じめんの うえに いる むしや、くさの みを た
270 べて います。
271 きじの  あしは がんじょうで じめんを あるくの
272 に べんりです。
273 よるに なると はやしの なかで ちいさな けものたち
274 が えさを さがしに でかけます。
275 ふくろうは その けものたちを おそう とりです。
276 ふくろうは めで みるだけで なく、かすかな
277 おとを ききわけて、やわらかな つばさを は
278 ばたいて えものに おそいかかります。
279 きの なかには きくいむしが たくさん います。
280 その むしを たべたくて、こんな くちばしと
281 あしを もつように なりました。
283 こん こん こん。
285 きから きへ むしを さがして、
287 こん こん こん。
288 くさを たべる だちょうは、からだが
289 おもいので、そらを とぶより はしった
290 ほうが はやい、はやい。
291 いつも はしっているうちに、つかわない
292 つばさは ちいさくなって しまいました。
293 ぺんぎんは とぶことより
294 およぐのが とくいです。
295 みずの なかの さかなを
296 つかまえて います。
297 つばさは さかなの ひれ
298 のように なりました。
299 あびは、ぺんぎんと おなじように、みずの
300 なかを もぐるのが とくいです。
301 でも、あんまり もぐってばかり いたので、
302 あるくことが できなく なりました。
303 さかなのように およぐとりです。
304 しらさぎは さかなが だいすきですが、もぐれない
305 ので、みずの なかを あるいて、くちばしで つか
306 みます。
307 あしは ながくなって あるき やすくなり、くちば
308 しは さかなを とらえやすく なりました。
309 かもは みずの なかに はえて いる みずくさや、もが
310 だいすきです。
311 もぐれないので さかだちして、おしりは みずの そと。
312 くちばしは ひらたくて みずくさを とるのに べんりです。
313 とりは ほかの どうぶつと ちがって、たべもの
314 を もとめて、うみを こえる たびを します。
315 きせつの かわりめに そらを ごらんなさい。
316 れつを くんで とんで いく とりを、みること
317 ができるでしょう。
318 あじは  ひろい  うみを  およいで
319 くらす  さかなです。
320 あじは、なんぜんまんこの  たまごを
321 ひろい  うみの  なかに  うんで、う
322 みっぱなしに  します。
323 にんげんは、ふつうは  あかちゃんを
324 ひとり   うんで   たいせつに  そだて
325 ます。 とりも 1ねんに 10こから
326 20この  たまごを  うむだけです。
327 どうして  さかなは  こんなに  たく
328 さんの  たまごを  うむのでしょう。
329 うみの  なかは  さかなが  たくさん  います。
330 あじの  たまごは、どんどん  ためられて  しまいます。
331 あじは  ひろい  うみを  およいで  くらす  さかなです。
332 だから、ひとつの  きまった  ところで  たまごを  まもっ
333 たり、せわを  したり  できません。
334 そのために、いくら  たべられても  こぼれて  いきのこる
335 たまごが  あるように  たくさん   たくさん  うむのです。
336 さかなには、ひろい  うみを  およぎ
337 まわらない  さかなも  います。
338 いけや  ぬまに  すむ  ふなも  そうです。
339 ふなの  たまごは  うみおとされると
340 すぐ  みずくさに  つきます。
341 ほかの  さかなに  たべられないので、
342 たまごの  ほとんどが  かえって  お
343 おきくなります。
344 いえを  つくって  たまごを  まもる  さか
345 なも  います。
346 いけや  かわらに  いる  とげうおです。
347 おすが  くさを  はこんで  まるい  すを
348 つくり、めすを  つれてきて  すの  なかで
349 たまごを  うませます。
350 めすが  たまごを  うむ  あいだ、おすは
351 てきが  こないように  みはりを  します。
352 かいは  いきを  するときに  くだを  だします。
353 かわや  ぬまに  いる  ばらたなごの  めすは、その  かいの
354 くだの  なかに、たまごを  うむための  ほそい  くだを   い
355 れて、すばやく  たまごを  うみつけます。
356 かたい  かいの  からだの  なかに  たまごを  うめば  もう
357 あんしんです。
358 おおきな  うぐいが  きても  へいきです。
359 うみで  くらす  さけは  たまごを  あん
360 ぜんに  そだてるために、 うみから  かわ
361 を  のぼって、 てきの  すくない  みずの
362 すんだ  ばしょに  たまごを うみます。
363 おで  みずそこに  あなを ほって  めす
364 が  たまごを  うむと、 おすが  しろい 
365 えきを  かけます。
366 そして  また  じゃりを  かぶせて  わか
367 らないように  します。
368 たまごが  かえると  じゃりの  あいだか
369 ら  あかちゃんが  でます。
370 めすが  うんだ  たまごに、 おすが  しろい  えきを  かけます。
371 そして  しばらくすると、 たまごから  あかちゃんが  うまれます。
372 たまごの  きみは、 まだ  じぶんで  たべものを  とれない  あか
373 ちゃんの  だいじな  えいようです。
374 さかなの  こどもは  じぶんで  たべものを  たべられるように
375 なると、 みずの  なかの  ひとの  めには  みえない  ちいさな
376 くさや  どうぶつを  たべます。
377 このような、 みずに  ただよっている  ちいさな  いきものを、
378 ぷらんくとんと  いいます。
379 こどもは  くちを  ぱくぱくして、 みずと  いっしょに  ぷらん
380 くとんを のみこみます。
381 まだ、 じぶんで  およいで  たべものを  さがせないので、 こう
382 して  くちの  なかに  はいって  くる  ものを  たべて  おお
383 きく  なります。
384 さかなの  こどもたちは  まだ  およげないので、 なみに
385 ながされながら  くらします。
386 なかには  かいや  えびや  かにの  こどもたちもいます。
387 このように、 うみの  ひょうめんを  ただよって  いる
388 ちいさな  こどもたちを  ねらう  さかなが  います。
389 いわしが  そうです。ほそながい  からだを  くねらせて
390 すばやく  こどもたちを  たべてしまいます。
391 いわしは  おなかが  いっぱいに  なります。
392 でも、 その  いわしも  あんしんは  していられません。
393 もっと  おおきな  とびうおが  たべてしまうからです。
394 そして、 とびうおも  かつおに、 かつおは  まぐろに、
395 その  まぐろは  さめに、 たべられて  しまいます。
396 さめは  にんげんに  ころされたりして  しぬと、 ばら
397 ばらに  なって、その  めに  みえない  にくは、ぷら
398 んくとんの  たべものに  なります。
399 うみの  なかには、こうして  たべたり  たべられたり
400 して、ひとつの  わが  できて  います。
401 くろまぐろは、とびうおや  いわしを  おって、ひろい
402 たいへいようを  ぐるぐる  およいで  たびを  します。
403 きたから  みなみまで  いく  さかなも  います。
404 じぶんの  いちばん  くらしやすい  おんどの  みずの
405 ところを  たべものを  さがして  およぎ  つづけます。
406 ひろい  うみを  およいで  くらす
407 さかなの  こどもには  てきが  い
408 っぱい  います。
409 あまり  およがないで  くらす  で
410 ぃすかすの  おかあさんは、じぶん
411 の  からだに  こどもを  くっつけ
412 て  おもりを  します。
413 そら、てきが  きたよ、おとうさんの
414 くちの  なかに  おはいり。
415 てぃらぴあの  こどもたちは、いっせ
416 いに、くちの  なかに  はいります。
417 おおきくなるまで  おとうさんが  ま
418 もって  くれます。
419 うみたなごと いう さかなは  でぃ
420 すかすや  てぃらぴあより  もっと
421 あんぜんに  こどもを  うみます。
422 うみたなごの  おかあさんは、おなか
423 の  なかで  たまごを  かえすのです。
424 たまごから  かえった  あかちゃんは
425 すこし  おおきく  なってから  はじ
426 めて  そとに  うみだされます。
427 にんげんみたいですね。
428 めを  ほそめて  みてごらんなさい。
429 おおきな  さかなに  おわれて  さばが  にげて  います。
430 でも、よく  みると、おおきな  さかなに  みえたのは
431 ちいさな  いわしの  たいぐんでした。
432 おとなになっても  ちいさな  よわい  さかなは  むれを
433 つくって  くらします。
434 たべものを  みつけやすいし、てきを  こうして  おどか
435 すことも  できるからです。
436 まぐろに  おいかけられた
437 とびうおは  ばさっと む
438 なびれを  ひろげて  とり
439 のように  なみの  うえを
440 とんで  にげます。
441 はやく  およいでいるうち
442 に  だんだん  むなびれが
443 のびて  きて  とう  とう
444 とべるように  なりました。
445 うみの  そこの  すなの  うえに  かれいが  います。
446 てきが  くると  すなの  うえに  からだを  よこに
447 して  かくれます。こうして  いつも  からだを よ
448 こにして  いたので、こんな  からだに  なりました。
449 てきも  かれいに  きが  つかないし、おいしい え
450 びも  きが  つきません。
451 そばに  くると、ぱくりと  たべてしまいます。
452 うみの  そこにある  かいそうの
453 もりに  へこあゆとたつのおと
454 しごが  すんで  います。
455 かいそうと いっしょに  ゆら
456 ゆらと ゆれて  います。
457 これでは  てきも  きが  つきま
458 せん。その  あいだに  せっせと
459 たべものを  さがします。
460 からだの  かたちは  すこし  か
461 わっていますが、ひれも  あって
462 りっぱに  さかなの  なかまです。
463 ひかりが とどかない  うみの  そこにも  さかなが  すんで  います。
464 でも、ふかい  うみの  そこでは  たべものは  すこししか  ありません。
465 だから、さかなたちは  たべものを  とりやすいように、ふしぎな  すがたに
466 からだを  かえて、いっしょうけんめい  えさを  さがして  います。
467 にんげんは  みずの  なかでは  いきが
468 できないのに、どうして  さかなは  いき
469 て  いられるのかしら。
470 それは  えらが  ある  おかげです。
471 さかなの からだを  よく  みてください。
472 やつめうなぎは、さかなの 
473 なかで  いちばん  おおむ
474 かしから  おなじ  すがた
475 で  くらしてきた  さかな
476 です。
477 あごが  ないので  ものを
478 たべられません。
479 そこで、ほかの  さかなに
480 すいついて、ちを  すって
481 くらして  いる  こわい
482 さかなです。
483 はいぎょは  みずが  なくても
484 へいきです。くうきを  すったり
485 はいたり  できるからです。
486 まちから  とおく  はなれた、ある  おかの
487 うえに、ぞうきばやしが  ありました。
488 その  なかに、おおきな  くりの  きが  1
489 ぽん  ありました。
490 おおきな  くりの  きは、6がつの  あかる
491 い  たいようの  ひざしを  うけて、やわら
492 かな  はを  のび  のびと  ひろげて  たっ
493 て  いました。
494 くりの  きは  はなを  さか
495 せて  いました。
496 でも、くりの  はなは、ばら
497 のような  はなやかな  はな
498 では  ありません。
499 ふさのように  なった、しろ
500 っぽい はなで、とても  よ
501 い  かおりが  します。
502 とりが  やってきました。
503 くりの  きの  はには  こんち
504 ゅうが  たくさん  います。
505 はを  たべたり、はの  しるを
506 すったり  して  います。
507 とりは  この  こんちゅうを
508 とりに  やってきます。
509 こんちゅうたちは、ほとんどが
510 まだ  ようちゅうです。
511 ようちゅうは  やわらかいので、
512 とりの  ひなの  ごちそうに
513 ちょうど  よいのです。
514 ようちゅうの  なかには、とり
515 に  たべられないように  くふ
516 うした  くらしかたを  して
517 いる  ものも  います。
518 ほとんどの  こんちゅうは  おやに
519 なると、りっぱな  はねが  はえます。
520 これは、そらを  とんで  きれいな
521 およめさんや、つよい  おむこさんを
522 さがして、けっこん  する  ためです。
523 ふつう、めすや  おすを  ひきつける
524 ために、からだには  うつくしい  も
525 ようが  あります。
526 がの  くすさんも  うつくしい  はね
527 を  もった  おやに  なりました。
528 かおりの  よい、くりの  はなには  たくさん
529 の  こんちゅうの  おやが  やって  きて、み
530 つを  すったり、かふんを  たべたり  します。
531 くりは  こんちゅうたちに  みつを  あげる
532 かわりに、たいせつな  しごとを  して  もら
533 います。
534 その  たいせつな  しごとと いうのは、
535 おばなの  かふんを  めばなに  はこん
536 であげる  ことです。
537 こんちゅうの  からだに  ついて  きた
538 おばなの  かふんは、めばなに  つきま
539 す。そして  その  かふんが、めばなの
540 なかに  はいって いくと、たねが  で
541 きるのです。
542 かふんが  めばなの  あたまに  つくと
543 ながい  くだが  のびて、かふんの  な
544 かの  ものが、めばなの  おく  ふかく
545 に  はいって  いっしょに  なります。
546 そうすると、そこが  たねに  なって
547 だん  だん  おおきく  なるのです。
548 くりの  きには、かわった  こんちゅうも
549 すんで  います。
550 おとしぶみという  こんちゅうも  そうです。
551 おとしぶみは、はを  まるめて  その  なか
552 に  たまごを  うんで、それを  じめんに
553 おとす  かわった  そだてかたを  します。
554 こどもが、とりや  おおきな  こんちゅうに
555 たべられないための  くふうです。
556 ななふしは  はねの  ない  こんちゅうです。
557 てきに  たべられないように、かわった  か
558 らだを  して  います。
559 きの  えだを  のそり  のそり、
560 てきが  くると  じっと  うごきません。
561 まるで  きの  えだ  そっくりに  みえるの
562 で、てきも  みのがして  しまいます。
563 やがて  なつが  きました。
564 くりの  はは、もう  やわらかな
565 みどりでは  ありません。
566 こい、たくましい  みどりに  そ
567 だって  います。
568 なつは  こんちゅうたちの  せか
569 いです。
570 なつの  くりの  きは  どんな
571 ぐあいでしょう。
572 なつに  なって  まず  やって
573 くるのが  せみです。
574 せみは  くりの  みきの  しる
575 を  すったり、たまごを  うみ
576 つけたり  します。
577 また、しろすじかみきりや  ぼ
578 くとうがも  やってきて、くり
579 の きの  みきに  たまごを
580 うみつけます。
581 まなつに  なりました。
582 しろすじかみきりや  ぼくとうがの  こどもが、くりの  きの  な
583 かで  だん  だん  おおきく  なります。すると、その  こどもの
584 とおりみちから  あまい  しるが、きの  そとへ  にじみでて  き
585 ます。おさけのような  おいしい  しるです。
586 かぶとむしが  その  おいしい  しるを、ひげで  かぎつけて、や
587 ってきました。ほかの  こんちゅうも  きました。でも、つよい
588 ものから  じゅんばんに  おいしい  ところを  とって  いきます。
589 えいっ。
590 みごとに  かみきりむしに
591 はりが  ささって、もんお
592 ながばちの  たまごが  か
593 みきりむしの  こどもに
594 うみつけられました。
595 この  はちの  こどもは、
596 かみきりむしの  こどもの
597 からだの  なかで  そだつ
598 のです。
599 たべものは  あるし、てき
600 も  いないので、おかあさ
601 んは  あんしんです。
602 くりの  きの  えだに  たくさんの  あぶらむしが  います。
603 あまくて  おいしい  くりの  きの  しるを  のんで  います。
604 あまり  のみすぎて、おいしい  しるは  あまってしまい、あぶら
605 むしの  おしりから  ぽとん  ぽとんと  でて  きます。
606 それを  ありが  のみます。
607 てきの  てんとうむしが  きて、あぶらむしを  たべようと  する
608 と、ありが  ふせいで  くれます。
609 いきて  いる  こんちゅうだけを  たべて  くらす  こんちゅう
610 が  います。おおかまきりです。まえあしが  かまのように  な
611 って  いて、これで  こんちゅう
612 を  はさんで  つかまえます。
613 ぎんやんまが  かを  おいかけて
614 います。
615 くりの  きの  えだの、またの
616 ところに  あまみずが  たまって、
617 そこで  うまれた  やぶかです。
618 でも、もう  おわりです。
619 とんぼの  おおきな  めに  みつ
620 けられたら  たすかりません。
621 ぎんやんまも、いきて  いる  こ
622 んちゅうを  たべる、こんちゅう
623 です。
624 そろそろ  あきがぜが  ふいて  くる  なつの  おわりです。
625 ころぎすは、くりの  はを  よせあつめて  うちを  つくって
626 はいって  います。ひるまは  うごきません。
627 かまきりや  やんま、それに  とりも  こわいからです。
628 その  かわり、よる  あるきまわって、けむしを  たべます。
629 おおきく  なった  くりの  みに、ちいさな
630 ぞうむしが  やってきました。
631 ながい  ながい  くちが  ぞうの  はなのよ
632 うです。
633 くりの  みに  やってきた  ぞうむしは、く
634 ちで  くりの  みに  あなを  あけると、は
635 んたいを  むいて、おしりを  つきだします。
636 そして、くりの  なかに  たまごを  うみつ
637 けるのです。
638 ここにも、たまごを  まもろうと、いっしょ
639 うけんめいの  おかあさんが  います。
640 あきが  きました。
641 つめたい  あきがぜが  ふき  はじめ、とお
642 い  しべりあから  かもが  やってきました。
643 この  ころに  なると、やまも  のも、はや
644 しも、この  ぞうきばやしも、きいろく、そ
645 して  あかく  そまって  いきます。
646 くりの  きも  きいろく  なりました。
647 くろく  なった  くりの  みは、どんどん
648 おちて  いきます。
649 あきは  ふかく  なりました。
650 くりの  はも  すっかり  おちて、あとは
651 ふゆが  くるのを  まつばかりです。
652 こんちゅうたちも  みんな  すがたを  けし
653 ました。
654 あかたてはが  よた  よた  とんで  います。
655 こうろぎが  ころ  ころと  さびしげに  な
656 いて  います。
657 くりと  いっしょに  どんぐりが  たくさん
658 じめんに  おちて  います。
659 ふゆが  きました。
660 ゆきも  ふりはじめました。
661 きびしい  ふゆの  あいだ、
662 こんちゅうたちは  どこで
663 なにを  して、すごして
664 いるのでしょう。
665 きの  あいだや  かれはの  したを  よく  みてください。
666 こんちゅうの  おやたちは、いのちを  たまごや  ようちゅ
667 うや  さなぎに  うけつがせて  しんで  いきました。
668 いきて  いる  こんちゅうは、かれきの  あいだで、さむい
669 ふゆを  すごします。
670 あたたかな  はるが  くるのを  じっと  まって  います。
671 まちから  とおく  はなれた、ある  おかの
672 うえに、ぞうきばやしが  ありました。
673 その  なかに、おおきな  くりの  きが  1
674 ぽん  ありました。
675 おおきな  くりの  きは、6がつの  あかる
676 い  たいようの  ひざしを  うけて、やわら
677 かな  はを  のび  のびと  ひろげて \rまちから とおく はなれた やまの なかに
678 ひろい はたけが ありました。
679 おひゃくしょうさんが まいにち せっせと
680 せわを して いましたから、さくもつが
681 いきいきと みのって いました。
682 ところが ある ひ、おひゃくしょうさんは はたけ
683 いっぱいの やさいを ぬいて、とらっくに つんで、
684 もって いってしまいました。
685 そして、そのまま にどと はたけに きませんでした。
686 おひゃくしょうさんは まちへ ひっこしてしまったのです。
687 つちばかりの はたけは その まま ほおって おかれました。
688 はたけは すてられてしまったのです。
689 はたけは、なんにちも たいようの ひに てらされたり、
690 あめが ふりつづいて みずを ふかく しみこませたり して いました。
691 なんにちも なんにちも ひが たちました。
692 ある ひの ことです。
693 すてられた はたけに あたらしい ことが はじまりました。
694 くろぐろとした つちから にょき にょきと いろいろな 
695 くさの めが ふき だして きたのです。
696 みんな みずみずしい いろの わかばを 
697 おもいきり そらへ むかって のばして いました。
698 くさの めは たちまち のびて いろいろな くさに そだち、
699 くさには いろいろな はなが さきました。
700 いつの まにか、はたけ いっぱいに くさが はえて いました。
701 でも、この くさたちは、さむい ふゆが くると 
702 みんな かれて しんで しまいました。
703 かれて しんでしまう まえに くさたちは 
704 じぶんたちの いのちを たねの なかに のこしました。
705 たねには わたのような けが ついていて、
706 かぜに ふかれると ぱらしゅーとのように とばされて いきました。
707 それは、すこしでも ひろく じぶんたちの なかまを ふやそうと 
708 ねがって いるようでした。
709 また、くさの なかには ふゆが きても しなずに、
710 じめんに ぴったりと はを つけて ふゆを こす くさが あらわれました。
711 その くさは はじめて はえた くさよりも 
712 いくらか せが たかく、くきの がんじょうな くさでした。
713 さむい ふゆを こして つぎの としの はるに また はなをさかせるには
714 じょうぶでなければ ならないからです。
715 そのうち、くさたちの なかに、くきのふとい、
716 じょうぶな くさが ほかの よわい くさを おいだし はじめました。
717 なかでも いちばん つよい すすきが 
718 だんだん ほかの くさたちを おいだし はじめたのです。
719 やがて いちめんの すすきの はらに なりました。
720 じょうぶで つよい すすきが ほかの くさを 
721 みんな おいだして しまったからです。
722 ところが その すすきも あたらしい くさに、
723 いいえ、きに おいだされ はじめます。
724 あかまつは くさと ちがって かたくて じょうぶな 
725 くきを もつ きです。
726 さすがの すすきも かないません。
727 だんだん あかまつが おおきく なっていきます。
728 あかまつは どんどん おおきく なり、
729 せが たかく、みきは ふとく なっていきます。
730 すすきは あかまつの はの かげに なり、
731 かれて いきました。
732 すすきは たいようの ひざしを うけて いないと 
733 いきて いけないのです。
734 あかまつは たいようの ひかりが だいすきです。
735 どんどん のびて、たちまち あかまつの はやしに なりました。
736 すすきは はじっこに すこし はえて いるだけです。
737 あかまつの はやしの なかは すこし うすぐらく なり、
738 こんどは、うすぐらいのが すきな くさや きが はえてきました。
739 あかまつが みんな おおきく そだって しまうと、
740 その はやしの まわりに、つるを もった くさが はえてきました。
741 おおきな はを かさねながら まつに からみついて のびて いきました。
742 そして とうとう、はやしの いりぐちを 
743 すっかり ふさいで しまいました。
744 そのために、はやしの なかは ますます くらく なって、
745 つよい かぜも はいって こない、
746 しずかな うすぐらい はやしに なりました。
747 あかまつの はやしには よく とりが きました。
748 あかまつの しげみは つよい かぜを よけてくれるし、
749 まつには いろいろな むしが いるので、
750 それを たべに くるのです。
751 たべるだけでは なく、あつまった とりたちの ふんの なかには 
752 とおい ところに はえて いるきの みや たねが まじっていました。
753 かぜとおしの わるく なった はやしには、
754 かぜと たいようが すきな あかまつの こどもは もう そだちません。
755 はえてくる きは、うすあかりの はやしの なかで そだつのに 
756 つごうの よい ちいさな はを もった きです。
757 その きの ちいさな はは、こい みどりいろでした。
758 この きは かしの きです。
759 どんどん ふとく、おおきく そだっていきます。
760 かしの きが おおきく なるにつれて、
761 としを とった あかまつは かれたり、おおかぜに 
762 たおれたりして、かずが だんだん へって いきました。
763 あかまつは いま、かしに まけて おいだされつつ あるのです。
764 やがて なんびゃくねんか たちますと、
765 あかまつは ほとんど なくなって、
766 すっかり かしの もりに なって いました。
767 こんもりと しげった はのために、
768 もりの なかは すっかり くらく なって しまいました。
769 かしの もりには いろいろな どうぶつが すみつきました。
770 こんちゅうが たくさん いますから、とりが きて、
771 そのとりを おって ふくろうや たかも やってきます。
772 たぬきや ねずみも すみつきました。
773 また、うすぐらいので じぶんを まもるにも つごうが よいのです。
774 ところが あるひ、かしの もりに だいじけんが おこりました。
775 やまかじです。
776 かみなりが おちたのでしょうか。
777 きが こすれあって ひを だしたのでしょうか。
778 ごぉー ごぉー
779 ぱち ぱち ぱち
780 ひの こが とび、けむりは どうぶつたちを 
781 もりから おいだして しまいました。
782 なんにちも もえつづけて とおい まちから 
783 しょうぼうの おじさんたちが きた ときは、
784 もう すっかり もえた あとでした。
785 あの ふとい かしの みきが くろく こげて 
786 たって いるだけでした。
787 なんにちか たちました。
788 くろく こげ、たちがれている きの ねもとに 
789 ちいさな あたらしい いのちが めを だしました。
790 それも ひとつでは ありません。
791 あちらにも こちらにもです。
792 この めたちも やがては くさと きの 
793 ながい ながい たたかいを くりかえし、
794 ちからづよい もりに なって いくことでしょう。
795 るいじんえんである
796 ちんぱんじーや ごりらは、
797 かおや しぐさが ひとに
798 とても にて います。
799 どうしてでしょう。
800 でも、ちがう ところも
801 ありますね。
802 それは どんな
803 ところでしょう。
804 これから その わけを
805 みて みましょう。
806 とおい むかし、きょうりゅうが くらして いた ころ、
807 ちきゅうは あつい ひが つづいて いました。
808 なんまんねんか たって、ちきゅうは ひえはじめました。
809 きょうりゅうたちは しにはじめて、かわりに、さむくても
810 へいきな けものの せんぞが あらわれました。
811 その じゃんぐるに くらしている けものに、ちいさな ちいさな
812 なかまが いました。
813 いま いる じねずみと ほとんど おなじすがたを していました。
814 おおきな おそろしい てきから にげて もりの なかの じめんの
815 うえで、はなと ひげを つかって こんちゅうや みみずを
816 たべて くらして いました。
817 じめんには ねこや おおかみに にた けものが いて、
818 じねずみにとっては とても あぶない ところです。
819 そこで、ながい あいだに じねずみの あるものが、
820 きの うえで くらすように なりました。
821 それが いまの つぱいの なかまです。
822 きの うえにも こんちゅうや くだものが いっぱい
823 あるので、これを たべて くらして います。
824 やがて、いまの きつねざるに よく にた さるが
825 あらわれました。
826 ては えだを しっかり にぎれるように なって、
827 きのぼりが じょうずです。
828 めも ますます ちかづいて、ふたつ ならび、まえの
829 ものが はっきり みえるように なりました。
830 おおきな めだまで、ふくろうみたいな
831 めがねざる。
832 まえの ほうが よく みえるようにと、
833 こんな さるが あらわれました。
834 ちいさな こねこぐらいの からだで、
835 よる きから きへ かえるのように
836 とんで、こんちゅうを さがします。
837 おおむかしと おなじすがたで いまも
838 いきつづけて いる めずらしい
839 さるの なかまです。
840 やがて、いまの あめりかたいりくに、きのぼりが
841 とても うまい さるが あらわれました。
842 いまの くもざるに とても よく にた さるです。
843 じめんには おりないで、きの うえでしか くらせない
844 からだつきに なって いました。
845 ながい おを ごほんめの うでのように つかって、
846 じゆうに きの うえを あるきまわりました。
847 きのぼりが じょうずなだけではなく、
848 じめんに おりて くらす
849 さるも あらわれました。
850 いまの にほんざるに よく にた なかまでした。
851 むれで くらし、いっぴきの
852 おすが むれを とりしまる、
853 かしこい さるです。
854 やがて、にほんざるよりも びんしょうな さるが
855 あらわれました。
856 いまの てながざるに よく にた さるです。
857 この さるは にほんざると ちがって、うでを まえと
858 うしろだけで なく、うえにも みぎ、ひだりにも
859 じゆうじざいに うごかせました。
860 だから、きから きへ うつる ときも、えだの うえを
861 はしらずに、うでを つかって、わたることが
862 できました。
863 じめんにも おりて、にほんあしで よちよち あるく
864 ことも できます。
865 るいじんえんの なかまには、てながざるの ほかに
866 からだの おおきな ものも いました。
867 きのぼりは もちろん、えだわたりも できました。
868 でも、からだが おおきくて おもいので、きの
869 うえに いるよりも、じめんに おりて くらすほうが
870 おおかったようです。
871 いまの ちんぱんじーや ごりらに とても よく
872 にた なかまです。
873 このころ、さるたちにとって、おそろしい ことが おこって いたのです。
874 ちきゅうが さむく なってきて、きたと みなみの ほうから こおりが
875 はりだして、さるの すむ じゃんぐるは だんだん せばめられて
876 いったのです。
877 かわりに、きが まばらに はえた そうげんが ひろがり はじめました。
878 もりの なかで きに のぼったり おりたりして いた るいじんえんの
879 なかまの あるものが、かわに そった もりに すむ
880 うちに、やがて、へいげんで くらし はじめました。
881 へいげんには ちいさな くさの たねや こんちゅうが たくさん
882 いました。
883 でも、てきが おおいので、いつも とおくを ちゅういして
884 みて いなければ なりません。
885 そして、りょうてを じめんから はなして にほんあしで たって
886 あるく なかまが あらわれたのです。
887 これが さいしょの にんげんです。
888 やがて、もっと いまの にんげんに にた
889 すがたの にんげんが あらわれました。
890 まだ、まっすぐ たって あるけないで、
891 がにまたで よたよた あるいて いました。
892 はじめの うちは、くさの みや きの み、
893 はなどを たべて いました。
894 だから、ごりらや ちんぱんじーのように
895 あごが がんじょうでした。
896 へいげんには ちいさな けものが
897 いっぱい いました。
898 にんげんは、おおきな けものが
899 たべた のこりの にくを ひろってきては
900 たべていましたが、
901 やがて、じぶんたちで つかまえるように
902 なりました。
903 つかみやすい いしを つかって
904 けものを ころす どうぐにした
905 はじめての にんげんです。
906 やまかじや かざんの ばくはつなどの ひは
907 とても こわい おそろしいものでした。
908 でも、やがて その ひを てに とってみた
909 ゆうかんな にんげんが あらわれました。
910 この にんげんは ひが とても あたたかくて、
911 この ひで にくを やくと やわらかく
912 たべやすいことを しったのです。
913 もりを でて、へいげんで くらすように なって ながい じかんが
914 たちました。
915 にんげんは あめや ゆきを さけて、どうくつを みつけて
916 はいって いるうちに、とても すみやすいことに きづきました。
917 そして、かぞくで どうくつに くらし はじめました。
918 ねあんでるたーるじん。
919 これは、はじめて にんげんらしい
920 ほねつきや しせいを もった
921 にんげんの なまえです。
922 みたところは おおむかしに もどって、
923 るいじんえんのようですが、
924 とても あたまが よく、かりが
925 じょうずで、けがわを みに つけるように
926 なりました。
927 さむさは ますます きびしく なってきて、
928 ねあんでるたーるじんは やがて いなく
929 なって しまいました。
930 そのときに あらわれたのが、くろまにおんじん と いう、
931 いまの わたしたちと まったく
932 かわらない にんげんなのです。
933 いしの どうぐは ますます するどく
934 つくれるように なりました。
935 くろまにおんじんは えものが
936 もっと たくさん とれるように、
937 ほらあなの かべに えものの
938 えを かいて いのりました。
939 こぼした くさの みが つぎの としに
940 めを だして また みを つけて いるのに
941 きが ついた にんげんは、やがて、
942 はたけを たがやして たねを うえました。
943 もう、けものを おいかけて うつりすむのを やめ、
944 いえを つくって、あまった みを
945 ためました。
946 こうして、いつも たべものが あるので、
947 にんげんは せかいじゅうに どんどん ふえて
948 いきました。
949 ひとつの ばしょに すみついた
950 にんげんには たべものを さがさなくても よい じかんが
951 うまれました。
952 そのとき、にんげんは いろいろな
953 ものを つくりました。
954 その なかでも、ほんが いちばん
955 たいせつな ものでした。
956 はるに なると、くさや きは いっせいに はなを さかせます。
957 いろいろな いろ、いろいろな かたちの はなが さきます。
958 とても きれいです。
959 でも、くさや きは にんげんに みせるために きれいな はなを
960 さかせるのでは ありません。
961 はなどおしで しそんを ふやすための きょうそうを して いるのです。
962 つくしは すぎなの こどもです。
963 つくしには みつばちや ちょうは 
964 やってきません。
965 なぜなら、はなが ないからです。
966 はなの さかない つくしは、ちいさな
967 こなぶくろを もっていて、 
968 かぜが ふくと、ふくろの 
969 くちから こまかい こなを まきちらします。
970 おおむかし、ちきゅうが いちねんじゅう
971 むしむしと あつかった
972 ころ、すぎなや つくしに 
973 よく にた おおきな きが はえて
974 いて、はなでは なく この
975 こまかい こなで ふえて 
976 いました。
977 おおむかしの きや くさには
978 はなが ありませんでした。
979 みつばちや ちょうは しだに みむきも しません。
980 しだも つくしのように はなが さかないからです。
981 だから、しだは つくしと おなじに こまかい こなを 
982 とばして ふえるのです。
983 でも、こんな こなでは かわいた ところや、ひがあたる
984 ところでは、しんでしまいます。
985 この しだも、すぎなや つくしと いっしょに おおむかし 
986 いきて いた くさの しそんです。
987 ちきゅうが だんだん さむく なって きた ころの ことです。
988 すぎなや しだの せんぞは もう そだつことが できません。
989 やがて、さむさにも つよくて、みずが すくなくても そだつ たねを
990 つくる きが あらわれました。
991 それが いまも 、みられる いちょうの きです。
992 いちょうには、おすの きと、めすの きが あって、おすの きの 
993 おばなから めすの きの めばなへ かふんが かぜで はこばれて、
994 かふんが めばなに はいって たねが つくられます。
995 まつも いちょうと おなじころに 
996 あらわれた おおむかしの きの 
997 いきのこりです。
998 いちょうより すすんでいて おばなと
999 めばなが いっぽんの きに
1000 いっしょに ついて います。
1001 かふんは、やっぱり かぜで はこばれて、
1002 ほかの まつの めばなに
1003 つきます。
1004 めばなに かふんが つくと にねんぐらいで
1005 まつかさに なります。
1006 とうもろこしも まつと おなじように、いっぽんの
1007 くきに おばなと めばなが ついて います。
1008 かふんは かぜで はこばれるので、おばなも めばなも
1009 ほとんど こんちゅうには きが つかない
1010 いろや かたちを して います。
1011 かぜに まかせて いたのでは とても 
1012 ふあんです。
1013 かぜより もっと たしかな ほうほうで
1014 かふんを はこんでもらうために、
1015 こんちゅうを えらんだ はなが あらわれました。
1016 くりの はなは こんちゅうを あまい
1017 みつの においで よびます。
1018 くりの おばなに きた こんちゅうは、
1019 からだに かふんを つけて、ほかの
1020 えだの めばなへと とびまわります。
1021 いろで こんちゅうを よぶ はなが あらわれました。
1022 いまの たんぽぽのような あかるい いろを もった 
1023 はなです。
1024 においは なくても、そらを とぶ こんちゅうには
1025 すぐ わかります。
1026 こんちゅうに きてもらうために はなたちは きそって 
1027 うつくしい いろを もちはじめました。
1028 たんぽぽは めばなと おばなが いっしょです。
1029 はなには あかい はなも あります。
1030 でも、あかい はなには みつばちは
1031 あまり やってきません。
1032 かわりに ちょうが よく みえる
1033 いろと あまり みえない いろとが
1034 あるのです。
1035 あおい はなは はちの すきな
1036 いろです。
1037 あおむらさきの うつくしい ふじの 
1038 はなには、みつばち、くまばち、
1039 まるはなばちなどが よく やって
1040 きます。
1041 ふじの はなは、おしべも めしべも 
1042 ないように みえますが、もぐって
1043 はいると おいしい みつが
1044 あるのです。
1045 はるに なると のはらは きいろい はなで いっぱいです。
1046 これは なのはなとも よばれる あぶらなです。
1047 みつばちや もんしろちょうが やってきました。
1048 みつが とても たくさん あって、みつばちは むちゅうで
1049 のんで います。
1050 みつばちは おなかが すくと、きいろい いろが まっさきに 
1051 めに はいって くるのです。
1052 きいろい たんぽぽの なかは
1053 どうなって いるのでしょう。
1054 たんぽぽは ひとつの はなでは
1055 ありません。
1056 ちいさな はなが たくさん
1057 あつまって いるのです。
1058 だから、みつも たくさん あります。
1059 はなに くる こんちゅうは、からだじゅうに
1060 こまかい けが たくさん はえて います。
1061 これは かふんが つきやすく、しかも とんでも
1062 おちない しくみで、とても やくだって
1063 います。
1064 くちは すとろーのように のびるし、ほかにも、
1065 はなで くらすのに とても べんりな
1066 しくみが あります。
1067 やがて、はなには みつも おしべも なくなって、
1068 たねが できます。
1069 この ころには、はなは もう かれてしまって
1070 いるので、こんちゅうたちは やってきません。
1071 この たねこそ、はなが いっしょうけんめいに
1072 のこそうと した くさの いのちの かたまり
1073 なのです。
1074 そして、できるだけ ひろい ばしょに じぶんの 
1075 いのちを ひろげようと くふうが されて 
1076 います。
1077 すこしでも はやく こんちゅうに きてもらおうと、
1078 はなびらに めじるしを つけた はなも あります。
1079 やまゆりの はなです。
1080 やまゆりの はなびらと がくは おなじ おおきさで、
1081 おなじ もようが  ついて います。
1082 あかい てんてんは ここに みつが あるよという
1083 めじるしなのです。
1084 さっそく きあげはが やってきました。
1085 はなに くる こんちゅうは みつを すう
1086 こんちゅうだけでは ありません。
1087 くちの みじかい こあおはなむぐりは かふんが
1088 だいすきです。
1089 ひめじょおんの はなに やってきました。
1090 しろい はなの なかの きいろい いろは
1091 とおくから とても めだって みえます。
1092 しろい はなが だいすきな ひらたあぶも
1093 やってきました。
1094 みんな からだに かふんを つけて、となりの 
1095 はなへ とんで いきます。
1096 くさい くさい 
1097 みつばちが にげて いきます。
1098 でも はえは この くさった
1099 ような においが すきです。
1100 まむしぐさは この かわった 
1101 においで はえを よびます。
1102 まむしぐさは おすと めすが 
1103 べつべつに はえる くさです。
1104 はえは おすの はなから かふんを 
1105 つけて めすの はなへ
1106 やってきます。
1107 まむしぐさには はなびらが
1108 ありません。
1109 はの かわった もので つつまれて
1110 います。
1111 うまのすずくさという くさは、
1112 まむしぐさと おなじで
1113 くさい においで こんちゅうを 
1114 よびます。
1115 くさい においの すきな
1116 あぶは、はなの なかに はいって
1117 いっしょうけんめい
1118 みつを すって います。、
1119 はなの なかには、たくさんの
1120 けが さかさに はえて
1121 いるので、なかに はいった 
1122 むしは なかなか でられません。
1123 みっかぐらい いて、からだじゅうに
1124 かふんを つけて
1125 つぎの はなへ とんで いきます。
1126 ひるまだけ さく はなばかりでは ありません。
1127 よる さく はなも あります。
1128 よる さく はなは おおきくて、しろっぽくて、
1129 らっぱのような かたちを して います。
1130 すずめがの なかまが やってきて、すとろーの
1131 ように のびる くちで みつを すいます。
1132 かふんを はこんで もらうのは
1133 こんちゅうだけでは ありません。
1134 はちどりと いう ちいさな ちいさな
1135 とりが、ながい くちばしを 
1136 はなの なかに いれて 
1137 みつを すいます。
1138 あふりかには ひろい ひろい そうげんが あります。
1139 そこには くびの ながい きりんや、はなの ながい ぞうが、
1140 おおきな からだで ゆうゆうと くらして います。
1141 いま ある そうげんも、おおむかしは もりでした。
1142 ほっきょく ちかくまでも ひろがって いて、あつくて、
1143 じめじめした じゃんぐるでした。
1144 でも、もりには いまのように うつくしい はなを
1145 もった きや くさは ありませんでした。
1146 おおきな しだや、いちょう、まつの なかまばかりの
1147 もりでした。
1148 しめった むしあつい もりには おおきな
1149 とかげの なかまたちが くらして いました。
1150 それが きょうりゅうです。
1151 その おそろしい きょうりゅうの めを さけて、
1152 ちいさな いきものが くらして いました。
1153 それが、いまの けものの せんぞ なのです。
1154 いつのまにか ちきゅうは ひえて さむく
1155 なって きました。きょうりゅうは、つぎつぎとしんで いきました。
1156 さむく なったり、あつく なったり して、
1157 はる・なつ・あき・ふゆの きせつが
1158 うまれました。
1159 すると、もりには うつくしい はなの さく
1160 きや くさが あらわれました。
1161 きょうりょうが いなく なった あとには、
1162 おおきな からだの けものが どんどん
1163 ふえて いきました。
1164 いろいろ あらわれた けものの
1165 なかに、きりんの せんぞが いました。
1166 もりの おく ふかくで、
1167 やわらかな はを たべて いました。
1168 くびは ながくは ありませんが、
1169 つのは はえて いました。
1170 この けものたちの なかに うまの せんぞも いました。
1171 でも、いまの うまとは すがたが ぜんぜん ちがって
1172 いて、おおきさは いまの いぬの てりあぐらいでした。
1173 もりの ふかくに すんで、やわらかい きの はを たべて
1174 いました。あしの ゆびは まえが よんほん、うしろが
1175 さんぼん ありました。
1176 もりの おく ふかくの ぬまには、いまの ぶたぐらいの
1177 おおきさの けものが すんで いました。
1178 みずべの くさを、はなさきで つまんで たべて いました。
1179 あつく なると みずに はいって くらしました。
1180 これが ぞうの せんぞです。
1181 もりの なかには おそろしい けものも いました。
1182 そこで、きの うえで くらしはじめた けものが
1183 あらわれました。
1184 おそろしい けものも、きの うえまでは おいかけて
1185 こないし、きの うえには だいすきな おいしい
1186 こんちゅうが いましたから、いちにちじゅう
1187 きから おりないで すごしました。
1188 この けものが、いまの さるや にんげんの
1189 せんぞだったのです。
1190 きの えだを つかむ ために ゆびを きように
1191 うごかし、えだから えだへ とぶときに まえが
1192 よく みえるように、めが まえに ならびました。
1193 さむさは ますます ひどく なって きました。
1194 やがて、ふった ゆきは こおって、その こおりが
1195 かわのように ながれ、ちきゅうを おおいはじめました。
1196 この こおりの ながれが ひょうがです。
1197 ひょうがは じゃんぐるを きたから のみこんで
1198 いきました。
1199 ちきゅうは また あつく なってきて、ひょうがは
1200 きたの ほうにだけ のこりました。
1201 このようなことが なんかいも くりかえされて、
1202 ひょうがが もりを おしながした あとに、ひろい
1203 ひろい そうげんが うまれたのです。
1204 はんたいに、けものの すんで いた もりは みなみの ほうへ
1205 おいやられて せまく なりました。
1206 せまく なった もりでは、たいへんな
1207 ことが おこりつつありました。
1208 いままで、ひくい ところに ある 
1209 やわらかい きの はを たべて いた
1210 きりんの せんぞに、たべる ものが
1211 なくなってしまったのです。
1212 ひくい ところの はを、みんなで
1213 たべてしまったからです。
1214 すると、こどもたちの なかに、ほかの
1215 こどもより くびの ながい ものが
1216 あらわれました。
1217 いっぴきだけでは なく、ほうぼうに
1218 うまれて いました。
1219 くびが ながいので、たかい ところの
1220 きの はを おもうぞんぶん たべて、
1221 いきのびました。
1222 くびの ながく なった きりんの
1223 せんぞは、やがて せまい もりを
1224 でて、ひろびろとした そうげんで
1225 くらし はじめました。
1226 そうげんでは、まばらに はえて
1227 いる きの えだに くびを のばして、
1228 おいしい はを すきなだけ
1229 たべることが できました。
1230 くびの ながい きりんの せんぞの なかまに、ある とき
1231 くびが もっと ながい、からだの おおきな こどもが うまれました。
1232 その こどもは、おとなに なると、おそろしい らいおんを
1233 おいだしたり、けとばしたりして、まだ からだの ちいさい
1234 きりんを まもりました。
1235 おおきな からだの ほうが、ちいさな からだよりも、いきて
1236 いくのに とても つごうが よかったのです。
1237 やがて、つぎつぎに うまれる こどもは おおきな きりん
1238 ばかりに なりました。
1239 ちいさくて、すばしこい うまの せんぞも、もりから
1240 そうげんへ でて きました。
1241 てきが くると、はしって にげました。
1242 そして、より はやく はしれる うまが いきのこり、
1243 からだも はしるのに つごうよく なっていきました。
1244 また、からだも すこし おおきく なりました。
1245 きりんのように くびが ながく ない うまの せんぞは、
1246 ひくい きが ない そうげんで、じめんに はえて いる
1247 かたい くさを たべるように なりました。
1248 そうげんを はしって くらして いるうちに、
1249 うまも おおきく たくましく なりました。
1250 さんぼんの ゆびは、りょうがわの ゆびが ちいさく なり、
1251 じめんを けるのに いちばん つかう
1252 なかゆびだけが かたい ひづめに なりました。
1253 くびは すこし ながく なって、つりあいがとれて
1254 はしりやすく なり、また とおくの てきも
1255 みつけやすく なりました。
1256 ぞうの せんぞも もりから そうげんに でて きました。
1257 そうげんは てきが おおいので、
1258 からだの おおきい なかまが
1259 いきのこっていきました。
1260 からだが おおきくて おもいために、
1261 はしって にげられないので、
1262 きばが ぶきでした。
1263 また、ぞうは からだが
1264 おおきいので、いつも たべて
1265 いないと おなかが すきます。
1266 そこで、はなが のびて、
1267 からだを うごかさずに まわりの
1268 くさや きの はを たべられるように
1269 なったのです。
1270 おおきな きばを もった ぞうも あらわれました。
1271 ひょうがが おしよせたころの まんもすぞうです。
1272 まんもすぞうは さむい ところですが ゆきの あまり
1273 ふらない ばしょに くらして いました。
1274 しかし ちきゅうが ひえて ゆきが ふかく なって
1275 うごけなく なり、しにたえて しまいました。
1276 そうげんに でて きた けものの なかに、きから おりた
1277 さるの なかまも いました。
1278 にくを ひろって たべて いるうちに、きの えだや ほねの
1279 かけらを ぶきにして ちいさな けものを とるように
1280 なりました。
1281 いまは ひょうがが きたに ある
1282 あたたかい じだいです。
1283 こうして、いまの きりんが そうげんに
1284 くらして いるのです。
1285 からだは ますます おおきく なって、
1286 せの たかさは ちょうど
1287 きと おなじくらいで べんりです。
1288 せが たかいので とおくの てきも
1289 すぐ みつけられます。
1290 からだの もようは ゆうやみの
1291 なかで ぼうっとして らいおんの
1292 めを ごまかします。
1293 いま いる ぞうは、 あふりかの そうげんに
1294 いる あふりかぞうと、あじあに
1295 いる いんどぞうです。
1296 からだを あまり うごかさずに、ながい
1297 はなを のばして まわりの きや
1298 くさを とって たべて います。
1299 うまは せかいじゅうの そうげんに ひろがって、
1300 なかまが たくさん あらわれました。
1301 しまうまは あふりかの そうげんにしか いません。
1302 しまうまの しまは、かざりでは ありません。
1303 らいおんが えものを ねらいに でて くる ゆうがたには、
1304 この しまの おかげで、ゆうやみに
1305 とけこんで てきの めから のがれます。
1306 そうげんで くらす さるは、やがて
1307 にんげんに なりました。
1308 でも、もりから でなかった さるは
1309 むかしの ままの すがたで くらして います。
1310 るいじんえんである ごりらや
1311 ちんぱんじーは、いまも もりの おく
1312 ふかくで くらして いて、そうげんに
1313 でて こようと しなかった なかまです。
1314 ここに あるのは、どれも きや くさの
1315 みです。
1316 この なかで くだものは 
1317 どれでしょう。
1318 くだものと いうのは、きに なる
1319 みの ことです。
1320 くだものは いろも きれいですし、
1321 いい かおりも します。
1322 そして、とても おいしい ものです。
1323 どうしてでしょう。
1324 りんごの はなには みつばちが さかんに とんできます。
1325 みつばちは あまい みつを もらう かわりに、かふんを 
1326 めしべに つけて あげます。
1327 めしべに かふんが つきますと、
1328 やがて はなびらが おちた あとに、
1329 あおくて まるい ちいさな
1330 くだものが できます。
1331 その なかには たねが はいって
1332 います。たねは みが おおきく
1333 なるにしたがって、くろく おおきく
1334 なります。
1335 やがて、なかの たねが すっかり おおきく 
1336 なりきると、まわりの みも あまく、いろも
1337 おいしそうに かがやきます。
1338 くだものの みは なかの たねを まもって 
1339 いるのです。
1340 でも、たねは しそんを ふやすために そとへ
1341 でて いかなければ なりません。
1342 くだものの たねは どうやって そとへ でてくるのでしょう。
1343 みの おく ふかくに ある 
1344 くだものの たねは じぶんで
1345 そとへは でられません。
1346 でも、あまい みに つつまれて
1347 いるので こまることは
1348 ありません。
1349 なぜなら、その みを、つばさや
1350 あしを もった どうぶつが 
1351 たべて、うごきまわり、
1352 ほうぼうに たねを まきちらして
1353 くれるからです。
1354 かきの みを たべた むくどりは、
1355 ふんの なかに たねを 
1356 いれて とおくで おとします。
1357 かきの たねは そこで めを 
1358 だすのです。
1359 ふかい やまおくでは やまぶどうが
1360 おいしそうに みのります。
1361 この やまぶどうを たべに くまや 
1362 りすが やってきます。
1363 やまぶどうの たねは くまや りすの 
1364 おなかに はいり、やがて、ふんと 
1365 いっしょに とおくへ ばらまかれるのです。
1366 かたい くりや どんくりの みには 
1367 りすが やってきます。
1368 じょうぶな はで かたい みを こりこり
1369 たべます。
1370 たべる ときに こぼしたり、はこぶ
1371 とちゅうで おとしたりした きのみが 
1372 めを だすのです。
1373 おおむかしの くだものは いまほど
1374 あまく ありませんでした。
1375 それでも くだものは おおむかしの 
1376 にんげんに とって たいせつな
1377 しょくりょうでした。
1378 おとこは そとで けものを おいかけ、
1379 くだものを とるのは 
1380 おんなの しごとでした。
1381 にんげんや ほかの どうぶつは、
1382 すこしでも あまい くだものを 
1383 えらんで たべました。
1384 ですから、あまくない くだものは 
1385 たねを はこんで もらえず、
1386 ながい としつきの あいだに 
1387 しにたえて いきました。
1388 あぶらなの はなに もんしろちょうが きて、
1389 さかんに みつを すって います。
1390 ちょうの からだには ほかの あぶらなの 
1391 かふんが ついて いて、それが めしべに 
1392 つくと、やがて あぶらなの みが できるのです。
1393 くさや きは みな みを つくって、そこに
1394 じぶんの いのちを ためて、できるだけ
1395 ひろく、とおくへ、じぶんの なかまや
1396 しそんを ふやそうと します。
1397 きに なる くだものと ちがって、あぶらなの 
1398 みは たねが すっかり おおきく なると、かれた 
1399 めだたない いろに なります。
1400 たべても おいしく ない みですが、なかには 
1401 くろい、かたい たねが きちんと ならんで
1402 いるのです。
1403 この たねは あぶらなの いのちの かたまりで、
1404 これを まもって いるのが みです。
1405 たべて おいしく ない みも、なんとかして
1406 じめんに たねを まかなければ なりません。
1407 そこで、ほうせんかのような みが あらわれました。
1408 たねが すっかり おおきく、かたく なると 
1409 みが かれて さけます。
1410 その ひょうしに、たねを できるだけ とおくへ
1411 とばすのです。
1412 もみじの たねも たべられません。
1413 もみじの たねには はねが ついて
1414 いて、あきに たねが おおきく 
1415 なると かぜに のって くるくる 
1416 まいながら とおくへ はこばれて
1417 めを だします。
1418 やしの みは うみべに おちると、
1419 なみに はこばれて ほかの しまの
1420 はまべに ながれつき、そこで
1421 めを だします。
1422 いのこずちの みは はりが ついて いて、
1423 すぐ なにかに くっつきます。
1424 この くさの みは、この はりで にんげんや
1425 どうぶつに くっついて、とおくへ
1426 はこばれて めを だすのです。
1427 くさや きの みは、じぶんの なかまを 
1428 ふやそうと いっしょうけんめいです。
1429 おおむかしの くだものは いまの くだものより
1430 とても ちいさく、あまさも ずっと
1431 すくなかったのです。
1432 いまの くだものが おおきいのは、ながい
1433 あいだに、すこしでも どうぶつを ひきつけようと 
1434 あまく なったり、ひとが つくりかえて 
1435 きたからです。
1436 ある ひ、にんげんは あまい くだものの 
1437 たねを すてないで うえてみました。
1438 すると、ひとつぶの たねが めを だして、
1439 なんじゅうねんか たつうちに、まいとし
1440 たくさんの あまい くだものが とれるように
1441 なりました。
1442 にんげんは もっと あまい おおきな みが 
1443 ほしく  なり、いろいろ かんがえました。
1444 そして、ちいさいけれど とても あまい みの
1445 なる きの かふんを、おおきな みの
1446 なる きの はなの めしべに つけました。
1447 すると、とうとう あまくて おおきな みの
1448 なる きが そだったのです。
1449 すこしでも おいしく たべられるようにと
1450 にんげんが つくりかえたのは、きの みで
1451 ある くだものだけでは ありません。
1452 くさの みも おいしく つくりかえました。
1453 いちごは、もとは ちいさな のいちごでした。
1454 にんげんは この のいちごを いまの 
1455 ような おおきな いちごに つくりかえて
1456 きたのです。
1457 いちごの みは、ほかの くだものの みと 
1458 ちがって、たねが そとに でて います。
1459 そして たべられる たねです。
1460 とうもろこしは もとは すこししか 
1461 みを つけませんでした。
1462 それを、ながい あいだに つくりかえて、
1463 じゅうばいも みを つける とうもろこしに つくりかえました。
1464 あまく なくても おいしいので、
1465 にんげんの てで つくりかえてきたのが
1466 やさいです。
1467 きゅうりは もとは ちいさな 
1468 うりでしたが、いまは こうして
1469 りっぱに おおきく なって います。
1470 こうして、いま くだものやに みられる 
1471 いろいろな くだものが つくられたのです。
1472 そして、くだものを  つくる はたけも ひろく
1473 なり、ひとつの やまが ぜんぶ みかんの 
1474 はたけに なって いる ところも 
1475 あります。
1476 たくさんの ひとが まいにち せわを して、
1477 たいせつに そだてて います。
1478 とかげと へびの せんぞは、さかなでした。
1479 おおむかし、みずの なかで くらして いた さかなの 
1480 ある なかまが、3おくねんぐらい まえに、はじめて
1481 りくの うえに でて きました。
1482 みずたまりから みずたまりへ うつるためです。
1483 やがて、りくの うえに なれた さかなの 
1484 なかに、かわった すがたの なかまが あらわれました。
1485 ひれは なくなって、あしの かたちに なり、
1486 ゆびが できました。
1487 りくの うえと、みずの なかとを、はんぶん 
1488 ずつで くらすように なりました。
1489 いまの かえるや いもりの せんぞです。
1490 やがて、この なかまは、ほとんど りくの うえだけで
1491 くらすように なり、たまごも みずの なかでは なく、
1492 りくの うえで うむように なりました。
1493 たまごは、なかの みずが ながれでないように、うすい 
1494 まくと からで つつまれて います。
1495 これが、いまの とかげの せんぞなのです。
1496 とかげの あかちゃんが うまれる ところです。
1497 たまごの からの おかげで、みずの なかでは
1498 なく、おやと おなじ りくの うえで うまれることが 
1499 できました。
1500 たまごに からが ついて いるので、
1501 あかちゃんは ぶじに うまれ、とかげの 
1502 なかまは どんどん ふえました。
1503 おおきな きょうりゅうも いましたが、
1504 その かたすみで いまの とかげや 
1505 かめや わにの せんぞが くらして
1506 いたのです。
1507 ふぃりぴんの こもどと いう しまに いる 
1508 こもどおおとかげは おおきな とかげです。
1509 ちいさな けものを つかまえて、へびのように 
1510 まるのみに します。
1511 へびの せんぞに ちかい なかまであったと 
1512 かんがえられて います。
1513 いぐあなは、みなみの くにで きに のぼり 
1514 こんちゅうを たべて くらして いる 
1515 とかげです。
1516 おおむかしは、からだも おおきく いばって
1517 あるきまわって いた なかまの 
1518 いきのこりです。 
1519 おおむかしの せんぞに にて いて、 
1520 こうらを もって いるのが かめです。
1521 てきに おそわれたり すると、あたまと
1522 てあしを こうらの なかに ひっこめて
1523 みを まもります。
1524 こうらは ひふが かたく かたまった
1525 ものです。
1526 かめの なかには、みずの なかに 
1527 もどって くらす なかまも 
1528 あらわれました。
1529 うみがめが そうです。
1530 あしが ひれのように かわって、
1531 すいすい およぎます。
1532 でも、たまごは、ほかの かめや
1533 とかげの なかまと おなじように、
1534 りくに あがって うみます。
1535 わには おおむかしの すがたを、ほとんど そのまま
1536 いまに のこして いる とかげの なかまです。
1537 きょうりゅうじだいの いきのこりですから、むかしと
1538 おなじように おおきな からだをして います。
1539 みずの なかで えものを とるので、みずの なかで
1540 うごきやすい からだをして います。
1541 りくの うえでは のそのそと あるく わにも、
1542 みずに はいれば さかなのようです。
1543 わにの せんぞは、もともと みずの なかで
1544 くらして いたのですから、わにが じょうずに
1545 およげるのも あたりまえかも しれません。
1546 きょうりゅうが たくさん あるきまわって
1547 いたころ、あしの みじかい とかげが あらわれました。
1548 あしの みじかい とかげは せまい ところでも
1549 はいって いって、たべものを とることが できました。
1550 これが へびの せんぞと かんがえられて
1551 います。
1552 あしが みじかくて、からだが ながいと、
1553 てきから みを かくすにも べんりでした。
1554 なかまの とかげが おおきな きょうりゅうに つかまっても、
1555 あしの みじかい へびの せんぞは、いわかげに もぐりこんで、
1556 てきに みつからずに いきのびることが できました。
1557 あしが ないほうが くらしやすいために、
1558 からだも そのように かわり、
1559 あしが ちいさく なって いきました。
1560 こうして いま みられる へびが あらわれたのです。
1561 てと あしは まったく なくなって、
1562 からだは ますます ながく なって います。
1563 ほかの どうぶつが はいりこめない ちいさな あなや せまい
1564 ばしょにも はいりこんで、えものを とることが できるのです。
1565 へびは、てと あしが なくて、ほそながい 
1566 からだをして いるので、たべものの
1567 とりかたも とても かわって います。
1568 つかまえた えものは、かまないで まるのみに します。
1569 じぶんの あたまより なんばいも おおきな えものでも 
1570 のみこめるように、くちには とくべつな しくみが あります。
1571 へびには、どくを もった なかまも います。
1572 じぶんより つよくて、おおきな えものを とるときのために、
1573 どくを もって いて、その どくで えものを 
1574 しびれさせて のみこむのです。
1575 へびが たべる どうぶつは、よく うごいて
1576 のみにくいので、ながい からだを まきつけて しめつけ、
1577 ちっそく させてから しずかに のみこみます。
1578 へびには ても あしも ないので、たべものを とるにも、こうした
1579 くふうを して いきて いるのです。
1580 へびに てと あしが なくて、からだが
1581 ほそながい わけが わかったでしょう。
1582 この からだの おかげで、いままで いきのこって きたのです。
1583 それに ほとんどの へびは、おとなしくて、
1584 やさしい どうぶつです。
1585 にしきへびのように、たまごを うんでも
1586 こうして あたためる へびも います。
1587 しまへびは とても ひとに なつきます。
1588 かわいがって そだてると、いうことも
1589 ききわけるし、ねこのように あまえたりも します。
1590 からだつきが かわって いたために、へびほど 
1591 まちがって きらわれて きた どうぶつは いないのです。
1592 にゅーじーらんどだけ
1593 にしか いない むかしとかげは、とかげや
1594 へびの せんぞと おなじころに、いまと
1595 まったく おなじ すがたで くらして 
1596 いた めずらしい とかげです。
1597 ひゃくねんいじょうも
1598 いきつづけます。かばは おおきな おおきな けものです。
1599 かおも おおきいし、どうも ふといです。
1600 へんな かっこうですね。
1601 おかしな かおですね。
1602 でも、かばは あふりかでは たいせつな
1603 どうぶつなのです。
1604 あつい あふりかに すんで いる かばは、
1605 ほとんど いちにちじゅう かわや いけの
1606 なかに はいって います。
1607 なかまと いっしょに、みずの なかで 
1608 じっとして すごします。
1609 みずの なかは、つめたくて きもちが いいし、
1610 おおきくて おもい からだは、みずの 
1611 なかのほうが うごきやすいのです。
1612 りくの うえでは とても おもい かばの からだも、
1613 みずの なかでは らくらくと うきます。
1614 ですから、かばは なにをするにも
1615 みずの なかのほうが べんりです。
1616 そこで、あかちゃんに おっぱいを 
1617 のませるのも みずの なかです。
1618 よる、りくの うえで くさを たべた かばは、
1619 あさに なると みずに もどって およぎながら 
1620 ふんを します。
1621 ふんは みずの なかに とびちり、それが 
1622 さかなたちの たいせつな たべものに なります。
1623 そして、さかなたちは とりの、とりは わにの
1624 たべものになって いるのです。
1625 かばは かわの みずくさも
1626 たべます。
1627 あふりかの かわには、いつも 
1628 みずくさが しげっています。
1629 かばは おおきな からだで、
1630 ゆうゆうと みずくさを わけいったり、
1631 とんねるを つくったりして すすみます。
1632 かばの あるいた あとから みずが 
1633 どっと ながれこみます。
1634 かんこうきゃくや かめらまんが かばを みに、
1635 たくさん やってきます。
1636 じどうしゃの おとや はなしごえで、かばは 
1637 ゆっくり ねむることも できません。
1638 そこで かばは なかまたちと 
1639 どこかへ いってしまいました。
1640 どこかへ いってしまった かばは ながいこと
1641 かえって きません。
1642 もう、うるさい にんげんに あいたく
1643 なくなったのかも しれません。
1644 たいようが じりじりと てりつけて いる 
1645 あふりかでは、かわの みずくさが どんどん しげります。
1646 みずくさは たちまち にじゅう、さんじゅうに しげって、
1647 かわの みずは みえなく なってしまいました。
1648 やがて、あつい かんかんでりが おわると、
1649 あふりかでは うきに なります。
1650 くる ひも くる ひも あめが ふって、
1651 とうとう、 かばが いた かわの みずは あふれだして、
1652 こうずいに なってしまいました。
1653 みずの とおりみちを つくってくれて いた かばが 
1654 いなくなったので、みずくさが、かわを とおせんぼしたのです。
1655 うるさい にんげんから にげて
1656 いった かばたちは、あたらしい
1657 ばしょで、やはり みずくさの なかを 
1658 およいで くらして います。
1659 かばの いる ところは いつも
1660 へいわです。
1661 かばの おかげで こうずいが ないから 
1662 ほかの どうぶつたちも あんしんして くらして います。
1663 こりんうずらは あめりかに すむ うずらの なかまです。
1664 からだは きれいな いろをして います。
1665 いつも くさはらに じゅうにわぐらいの
1666 なかまと いっしょに くらして います。
1667 さむい ふゆの あいだ、こりんうずらは
1668 なかまどうし からだを よせあって、
1669 あたためあいながら ねむります。
1670 これなら ゆきが ふっても、
1671 かぜが ふいても さむく ありません。
1672 りょうがわから なかまが あたためて くれるからです。
1673 ある ひ、はんたーが やってきて、てっぽうで 
1674 はちわの こりんうずらを うちころして
1675 しまいました。
1676 きつねや たぬきが きても、こりんうずらは
1677 こわくありません。
1678 なぜなら、ほうぼうに とびちる うずらたちを みて、
1679 きつねが びっくりして いる あいだに、
1680 にげることが できるからです。
1681 でも、てっぽうを もった はんたーでは、
1682 そうは いきません。
1683 いきのこった しわの こりんうずらは もう
1684 いきて いけません。
1685 なぜなら、そとがわの にわが さむさで 
1686 こごえて しんでしまうでしょう。
1687 すると、のこった にわでは、もう、
1688 さむくて いきて いけないからです。
1689 ほかの どうぶつと くらべて、
1690 らくだの かたちは かわって います。
1691 くびが ながく、せなかには こぶが あります。
1692 この らくだは、さばくの ちほうで とても たいせつな 
1693 やくわりを はたして います。
1694 さばくを あるいて いくと、
1695 にんげんは まず みずを のみます。
1696 あせが でて、すぐ みずが
1697 ほしくなるからです。
1698 でも、らくだは すこしも
1699 みずを ほしがりません。
1700 なんにちも あるいて、にんげんは
1701 みずを きらして、もう しにそうです。
1702 でも、らくだは まだ みずを のみたがりません。
1703 しかし、すこし やせてきました。
1704 らくだが みずを のまないで
1705 へいきなのは、せなかの こぶのためです。
1706 こぶは あぶらの かたまりで、
1707 これを みずに かえて つかって いるからです。
1708 ある やまで、かしの もりが きりとられて、
1709 かしの きが いっぽんだけ のこって います。
1710 みたところ しずかな いっぽんの きですが、
1711 よく みると、とりが たくさん あつまって います。
1712 はや みきに むしが いるので、
1713 それを たべに くるのです。
1714 かしの ねもとは はが かげを つくって いるので、
1715 いつも じとじとと しめって いて、
1716 みみずの すみかです。
1717 その みみずを おって、もぐらや とかげ、
1718 さらに、ねずみや へびも やってきて、
1719 かしの きの ねもとは、
1720 どうぶつたちで にぎやかです。
1721 あつまって きた みみずや もぐらは、つちを ほじくり
1722 かえすので、かしの きの ねもとは、
1723 とても やわらかくて いい つちです。
1724 ですから、かぜに はこばれて きた たねは、
1725 すぐに めを だして、ひかげの すきな はなたちが さきみだれます。
1726 いっぽんだけ のこっていた かしの きに、
1727 きこりが やってきました。
1728 そして、さいごの かしの きを ねもとから きって、
1729 もって いってしまったのです。
1730 とうとう かしの きは いっぽんも のこらずに きりたおされ、
1731 はげやまに なってしまいました。
1732 いままで いた どうぶつたちは、
1733 みんな ほかの もりへ いってしまいました。
1734 にぎやかな ほかの もりと くらべると、
1735 とても さびしい やまに なりました。
1736 あとは、くさだけが のびます。
1737 ひなたに さく はなが すこしだけ さいても、とりの さえずりも、
1738 けものの うごく けはいも ない さびしい やまです。
1739 でも、いつか きっと、また ここに 
1740 もりが うまれるでしょう。くさはらや はやしは どうぶつの すみかです。
1741 どうぶつは くさの はを たべたり、
1742 くさの しるを のんだり、
1743 きの かわを たべたりして くらして います。
1744 くさの あいだを わけて、よく みると ちいさな 
1745 とのさまばったが くさを たべて います。
1746 つよい がんじょうな あごで、かたい くさの はを、
1747 もりもり たべます。
1748 くさが ないと、いきていけない どうぶつです。
1749 そこへ、とつぜん かまきりが きて、
1750 とのさまばったは あっと いう まに つかまってしまいました。
1751 かまきりは ほかの こんちゅうを つかまえて、
1752 その からだを たべてしまう こんちゅうです。
1753 ばったを たべる かまきりも、やがては、
1754 とりに みつかって たべられてしまいます。
1755 もずは くさの あいだを しずかに とびまわって、
1756 たちまち かまきりを みつけました。
1757 もずは ほかの いきものの にくを たべる とりです。
1758 その もずも、まごまごしていると、おともなく やってきた 
1759 あおだいしょうに つかまってしまいます。
1760 へびは とりや、とりぐらいの おおきさの どうぶつを 
1761 たべて くらす どうぶつなのです。
1762 あぶらむしは ちいさな ちいさな こんちゅうです。
1763 むれを つくって、なのはなの みきに しがみついて 
1764 しるを すって います。
1765 あぶらむしは、とのさまばったと おなじように、
1766 くさや きを たべる こんちゅうの なかまです。
1767 その あぶらむしを つかまえて たべるのが てんとうむしです。
1768 いま、ななほしてんとうと なみてんとうが やってきて、
1769 くさに ついた あぶらむしを たべてしまいました。
1770 てんとうむしも ほかの こんちゅうを たべる こんちゅうです。
1771 てんとうむしも とんでいるうちに くもの すに 
1772 かかってしまいました。
1773 すこしの うごきでも みのがさない くもは、
1774 すぐに やってきます。
1775 くもは てんとうむしを たべはじめます。
1776 その くもも、かえるに かないません。
1777 とのさまがえるが くもを みつけると、
1778 ぴょんと とびついて、ぱくりと のみこんでしまいます。
1779 くさはらには しまへびが います。
1780 しまへびは かえるが だいすきです。
1781 ふだんは ちいさな くちに みえても、
1782 たべる ときには おおきく のびて、
1783 あいてを のみこんでしまうのが 
1784 へびの くちです。
1785 とりを たべる あおだいしょうや、
1786 かえるを のみこむ しまへびは、
1787 いちばん つよいように みえます。
1788 でも、もっと つよいのが いるのです。
1789 ちいさな いたちが へびよりも すばやく 
1790 へびに とびついて いきます。
1791 あわてて いたちを まきつけようとしても 
1792 もう まにあいません。
1793 へびは いたちに たべられてしまうのです。
1794 たべたり たべられたり するのは、こんちゅうのような
1795 ちいさな どうぶつだけでは ありません。
1796 やまの すぎばやしの わかぎの ねっこを たべるのは、のねずみです。
1797 のねずみは きが ないと いきられません。
1798 たべたり たべられたりは、ひるまだけでは ありません。
1799 つきの あかりの したで、おおきな めを かがやかせて、
1800 えものを さがして いた ふくろうが、
1801 のねずみを みつけて とびかかりました。
1802 のうさぎは おとなしい どうぶつです。
1803 のねずみと おなじように きの かわをたべて います。
1804 つまり、しょくぶつを たべて くらしている けものです。
1805 のうさぎが いちもくさんに にげています。
1806 おって くるのは きつねです。
1807 うさぎのような けものも、
1808 もっと おおきな てきに たべられてしまうのです。
1809 ふくろうや きつねや いたちには、てきが いないように みえます。
1810 でも まだ、これらを たべる てきが います。
1811 おおきな おおきな とり、にくを たべる とり、それは わしです。
1812 いぬわし、おおわしの まえには、きつねも かないません。
1813 わしに かなう どうぶつは いないようです。
1814 でも、ひとの めに みえない ちいさな ちいさな いきものに、
1815 わしは ころされてしまいます。
1816 わしの からだに しのびこむ ちいさな いきものは、
1817 たくさんの なかまで わしを ころしてしまうのです。
1818 この いきものは、ばいきんです。
1819 わしが しぬと やってくるのが しでむしです。
1820 たくさんの なかまで やってきて、
1821 にくを たべてしまうので、
1822 わしは ほねだけに なってしまいます。
1823 わしが しんで、なんかげつか たつと、
1824 はねしか のこりません。
1825 それは、ばくてりあと いう ちいさな いきものが、
1826 くさった ほねまで つぶにして 
1827 じめんの なかに はこんで しまうからです。
1828 ばくてりあは、ばいきんと おなじ なかまです。
1829 ばくてりあの はたらきで わしの からだは 
1830 めに みえない つぶに なって じめんの なかに すいとられます。
1831 つまり、わしは しんで、じめんの なかに 
1832 すがたを かえて はいってしまったのです。
1833 つちの なかの みずに とけたり、
1834 ちいさな いしの あいだに はさまって、
1835 わしの からだは ばらばらに なりました。
1836 しかし それは、やがて、その つちに はえている くさの 
1837 ねから すいこまれて、くさの なかに 
1838 はいって いきます。
1839 くさは ぐんぐんと げんき よく のびます。
1840 わしは しんで えいように なって、
1841 くさを そだてはじめたのです。
1842 くさが わしを たべはじめたとも いえるでしょう。
1843 その くさに とのさまばったが くると、
1844 はじめの ぺーじに もどります。
1845 たべたり たべられたりの しくみは 
1846 ひとつの わのように、くりかえします。
1847 しょくぶつは、じめんから すいこんだ みずと 
1848 えいようを はに はこんで、たべものを つくります。
1849 どうぶつは、この しょくぶつが つくる えいようを 
1850 たべるために やってくるのです。
1851 すぎの なかまの せこいあと いう きは、
1852 とても おおきく そだちます。
1853 きたあめりかに ある せこいあは、 ちきゅうの 
1854 うえで いちばん おおきな いきもので、
1855 さんぜんごひゃくねんも いきつづけて
1856 います。
1857 ちきゅうで いちばん おおきな いきものである 
1858 せこいあの きも、もともとは こんな
1859 ちいさな たねから そだった ものです。
1860 たねから めを だした きや くさは、まわりながら
1861 くらしやすい ばしょだと、とても ながく
1862 いきつづけることが できるのです。
1863 たねには なかまを ふやすと いう、とても 
1864 たいせつな やくめが あります。
1865 たねは、ふつう とても ちいさな からだをして
1866 います。
1867 どんなに おおきな きも、ちいさな たねに 
1868 いのちを あづけて、しそんを ふやすのです。
1869 たねは、じぶんが そだつのに ちょうど 
1870 よい みずに であうまでは、めを ださずに 
1871 ねむって いるのです。  
1872 だいずの たねが、つちの なかで ねを 
1873 だしはじめて います。
1874 たねは、すこしの みずと、あたたかさと、
1875 くうきが あれば、じぶんで いきはじめます。
1876 つまり、めを さましたら、じぶんの ちからで
1877 おおきく のびようとします。
1878 にんげんの あかちゃんとずいぶん ちがいます。
1879 どうして みずが あると じぶんで いきられるのでしょう。
1880 たねが ねを だし、つぎに
1881 めを だして そだっていくのは、
1882 たねが じぶんの なかに 
1883 にんげんの おちちに 
1884 あたる ものを もって いるからです。
1885 はいにゅうと いう ところは、
1886 たねが みずに であうと
1887 すばらしい えいように 
1888 かわって、
1889 たねが じぶんで
1890 ひかりと みずを とって 
1891 いきていけるように なるまでの、
1892 つよい えねるぎーに
1893 なります。 
1894 にまいの めを だす たねが あります。
1895 あさがおの たねが そうです。
1896 あさがおは、まねの たねとおなじ しくみで、
1897 めに えいようが あります。
1898 はが あみのように なって いる きや 
1899 くさは、ほとんどが このような めの でかたを 
1900 します。
1901 いちまいの めを だす たねが あります。
1902 はに すじが とおって いる、いねや むぎなどです。
1903 このような たねは、めや ねとは べつに
1904 えいようが あるので、えいようを つかい
1905 ながら めや ねが のびていきます。
1906 じぶんで たいようの ひかりを あびるように 
1907 なると、たねの かわだけが  のこります。
1908 まつは たくさんの めを だします。
1909 でも、これは ほんとうの はでは ありません。
1910 おとなが もつような ほんとうの はは、さいしょの 
1911 めの あいだから でてきます。
1912 となりどうしが くっつきすぎたまま めを 
1913 だすと、おおきく なっても ひょろひょろと
1914 やせて そだちます。
1915 ひめじょおんの くさも このとおり、ひょろひょろで、
1916 げんきが ありません。
1917 おなじ ひめじょおんも、めのときに はなれて
1918 そだつと、こんなに がっかりした じょうぶな
1919 おとなに なります。
1920 これは、じめんの なかの みずや えいようが 
1921 ひつようなだけ じぶんの めで すいとれるからです。
1922 あまり くっつきすぎると、ひつようなだけ とれないので、
1923 おたがいに よわってしまうのです。
1924 どの くさも きも、たねを とても 
1925 たくさん つくります。
1926 なんまいという たねを つくる くさも
1927 あります。
1928 くさや きは じぶんの なかまを 
1929 できるだけ とおくへ ふやそうと
1930 します。
1931 だから、たねを できるだけ たくさん
1932 つくって、いろいろな ほうほうで 
1933 まきちらすのです。 
1934 てっぽううりは じゅくすと くきから はなれて 
1935 じめんに ころがり、たねを にめーとるも とばします。
1936 これも、できるだけ とおくへ、ひろく じぶんの 
1937 なかまを ふやそうとするからです。
1938 くさはらや のやまを あるいて 
1939 かえってくると、ずぼんに たねが 
1940 たくさん くっついて いる
1941 ことが ありますね。
1942 これも、たねが できるだけ とおくへ
1943 いきたいと いう しるしです。
1944 ものに くっつく たねには、くっつくための 
1945 かぎや べとべとした 
1946 ものが ついているのです。
1947 みなとには がいこくから はこばれたり、
1948 これから つみだされたりする にもつが
1949 たくさん おいて あります。
1950 この にもつを よく みると、ちいさな
1951 たねが くっついて います。
1952 このような たねの くさは、うみを わたって
1953 なかまを ふやします。
1954 うみを わたって きた たねは みなとの 
1955 まわりに めを だします。
1956 このような たねは 、とても じょうぶで
1957 あたらしい とちでも みずと
1958 ひかりが あれば、ぐんぐん おおきく 
1959 そだち、たちまち あたらしい
1960 くにに ひろがっていくのです。
1961 ちか ごめーとるの おおむかしの 
1962 くらしの あとで、
1963 ある かがくしゃが 
1964 まるきぶねの なかに はすの
1965 くろい たねを みっつ
1966 みつけました。
1967 それは、にせんねんも むかしの 
1968 たねでした。
1969 なにしろ にせんねんも 
1970 まえの たねですから、もう、
1971 めを ださないだろうと
1972 おもわれました。
1973 はすの たねの かわは とても あつく、
1974 かたくて みずを なかなか とおしません。
1975 だから、くさって やわらかく ならないと、
1976 めを だすことが できないのです。
1977 そこで、かがくしゃは はいにゅうに みずを
1978 あげようと、はさみで かどを すこし
1979 きって、そのまま うえてみました。
1980 すると、にしゅうかんめに みごとに めを 
1981 だして、やがて、すばらしい はなを さかせたのです。
1982 たねは とおくへ いくだけでは だめです。
1983 もし、そこが そだつのに つごうが よくないと
1984 めを だしても かれてしまいます。
1985 たねには ひなたが すきな ものと、ひかげが
1986 すきな ものが あります。
1987 めを だすのに つごうの よい ばしょで 
1988 ないと たねは しにます。
1989 ですから、いきのこる たねは とても わずかです。
1990 きけんが いっぱいだから、たねは たくさん 
1991 つくられるのです。
1992 ながい あいだに きや くさが もった、いきのびる
1993 ほうほうです。
1994 そだつのに つごうの よい ところに 
1995 ついた たねは、めを だして そだちます。
1996 そして、やがて うつくしい はなを 
1997 つけるでしょう。
1998 むらさきいろの すみれも、やっと たどりついた 
1999 ところに はなを さかせたのです。
2000 やがてはなは しぼんで、あとに 
2001 こんなに たくさんの たねが つくられました。
2002 ひとつの たねが うまく めを だすと、
2003 なんじゅうばいの たねを 
2004 つくることに なるのです。
2005 そして、また、その たねの ひとつ 
2006 ひとつが、めを だすのに つごうの 
2007 よい ところへと たびを 
2008 することでしょう。
2009 そののち、いくつが はなを さかせ、
2010 たねを つくることが できるのでしょう。
2011 むかし むかしの ことです。
2012 いえや おはかを つくるために、
2013 きや いしは やまから はこび
2014 だされました。
2015 しかし、はこぶ どうぐが ないので、
2016 それは たいへんな おおしごとでした。
2017 ひとびとは きや いしを はこびながら
2018 なにか よい ほうほうは ないかと いろいろ 
2019 くふうを こらしました。
2020 かわに うかべて はこんだり、 そりのように 
2021 くさや すなの うえを すべらせたりしました。
2022 まるたが ごろごろと ころがって いくのを 
2023 みたり、まるたの うえに のって 
2024 ひっくりかえったりしているうちに、おもしろい
2025 ことを かんがえた ひとが いました。
2026 おもい ものを まるたの うえで うごかすと
2027 らくだと いうことです。
2028 それなら つぎつぎと まるたを ならべていったら......
2029 ころの はつめいは、くるまへ おおきく ちかづきました。
2030 まるたは ごろごろ ころがって おもい 
2031 ものを らくに はこんで くれました。
2032 しかし、はこんで いるうちに まるたは
2033 りょうがわを のこして、ものの おもさが 
2034 かかる まんなかだけが すりへって 
2035 いったのです。
2036 すりへった まるたを みながら、もっと べんりな 
2037 ものを かんがえた ひとが いました。
2038 まるたに そりを くっつけたのです。
2039 おもい にもつを のせた いたを ひくと、いたの
2040 したで まるたが ごろごろ まわって、ころを ひとつ
2041 ひとつ うごかさなくても、らくに はこぶことが 
2042 できるように なりました。
2043 まるたの ついた そりで ふべんだったのは、まるたの 
2044 かいてんが そりに じかに つたわったことです。
2045 そこで、まんなかの ぶぶんを べつの ぼうに かえた 
2046 くるまが あらわれたのです。
2047 すりへった まるたと にた かたちですが、くるまだけが 
2048 まわるので とても ぐあいが よくなりました。
2049 ろばや うしに ひかれた くるまが みられるように 
2050 なりました。
2051 みちとは よべないような わるい みちを 
2052 どうぶつに ひかれて たびを した むかしの 
2053 のりものは、みんな おおきな くるまを 
2054 もって いました。
2055 ちいさな くるまだと すぐ すりへって
2056 うごかなく なってしまうからです。
2057 すりへらない しゃりん、おもく ない
2058 くるま、これが おおきな くるまの
2059 ついた のりもので ものを はこんで 
2060 いた ひとびとの ねがいでした。
2061 こうして しゃりんが なんまいかの
2062 いたの くみあわせに かわっていったのです。
2063 あしが はやくて ちからの ある うまが 
2064 ひとに つかわれるように なったのは、いまから
2065 やく よんせんねんまえの ことです。
2066 くるまも うまの はやさに あうように だんだん
2067 かえられて いきました。
2068 いまから さんぜんごひゃくねんまえごろ、あたらしい
2069 くにづくりが いろいろな ところで はじまりました。
2070 そのため たたかいが ほうぼうで おこり、このとき
2071 せんじょうを かけまわったのが、にりんばしゃでした。
2072 くるまは みちが よくないと はやく
2073 はしれませんし、おもい にもつを はこべません。
2074 また、くるまが たくさん とおると みちは
2075 こわれます。
2076 みちが よくなるに したがって、くるまも
2077 よくなっていきました。
2078 えきばしゃは ひとびとの りょこうを
2079 たいへん らくにしてくれました。
2080 さいしょの ころは まどの ついた
2081 はこを のせただけでしたが、だんだん
2082 ばねの ついた くるまになって、どうろの 
2083 おうさまになりました。
2084 くるまの みちとして いちばん じょうぶなのは
2085 せんろでした。
2086 せんろの うえを ばしゃが はしっている
2087 うちに、じょうききかんが はつめいされて
2088 うまの いらない ばしゃが はしるように
2089 なりました。
2090 うまや じょうきに くらべると ひとの 
2091 ちからは ちいさいのですが、その ひとの 
2092 ちからだけで、くるまを はやく はしらせることが
2093 できるようになりました。
2094 たいやや、はぐるまの しくみを かんがえた 
2095 おかげです。
2096 これは にひゃくねんまえに ふらんすで 
2097 つくられた じょうきじどうしゃです。
2098 まえに つけられた かまから じょうきが
2099 おくられて ぴすとんを あげたり さげたりして
2100 まえの くるまを まわします。
2101 きまった せんろの うえでなく、
2102 すきな ときに すきな ところへ 
2103 ものを はこんだり、はやく いけたりするのは
2104 じどうしゃです。
2105 じどうしゃは がそりんきかんの 
2106 はつめいで とても べんりに なりました。
2107 でんきの はつめいは のりものの すがたを 
2108 おおきく かえました。
2109 たくさんの ひとを いちどに はこべるように 
2110 なったのです。
2111 ひとの せいかつには いろいろな ことが 
2112 あります。
2113 とおくへ いかなくても、ゆっくりしか
2114 はしらなくても、やくにたつ のりものは ひつようです。
2115 おおむかしの たたかいから、くるまは はやく
2116 はしれるように かんがえられてきました。
2117 げんざいでは いちじかんに にひゃくきろも
2118 はしるように なったのです。
2119 のりものは どんどん おおきく 
2120 なって、あらゆる ものを いろいろな
2121 ほうほうで はこびます。
2122 そのためには、みちも はしも、
2123 そして とんねるなども じょうぶに
2124 つくられるように なったのです。
2125 くるまの しくみは、いろいろな
2126 きかいを はってんさせました。
2127 とけいには たくさんの くるまが
2128 つかわれて います。
2129 はぐるまと よばれる ぎざぎざの 
2130 くるまです。
2131 でんきが ないころから はたらいていた
2132 うごかない くるまに、すいしゃと ふうしゃが 
2133 あります。
2134 かわの みずや かぜの ちからで くるまを 
2135 まわして、こなを ひいたのです。
2136 また、たかい ばしょに ある はたけに みずを 
2137 おくる しごともしました。
2138 この おじさんは なにをして 
2139 いるのでしょう。
2140 ろくろと いう くるまを まわして
2141 ちゃわんを つくって
2142 いるのです。
2143 ちいさな しゃべるで、ぼうやが すなを ほって います。
2144 しゃべるは ほるのに なくてはならない だいじな どうぐです。
2145 その しゃべるも かたい じめんを おおきく ほる ときには、
2146 こんな おおきな しゃべるを つかいます。
2147 ばっくほーは きかいの ちからを つかった おおきな どうぐです。
2148 むかし、ひとの せんぞは あつい ところの 
2149 もりの なかで くらして いました。
2150 そのころは どうぐなど ありません。
2151 きに のぼっては、てを つかって くだものを とって いました。
2152 もりを でて、そうげんで くらすまでは.........
2153 そうげんで、ひとの せんぞは、けものの にくを とって 
2154 たべるように なりました。
2155 はじめは しんだ けものの にくでしたが、
2156 やがて いきている けものを とるように なりました。
2157 おちている いしや ぼうを つかって、
2158 けものを たおしたのです。
2159 やがて、にんげんは せぼねを まっすぐにして あるくようになると、
2160 ますます りこうに なりました。
2161 にんげんは いしを けずって べんりな ないふを つくりだしたのです。
2162 にんげんが いろいろな ことを すれば するほど、
2163 ひとつの どうぐでは たりませんでした。
2164 つかいみちによって いろいろな どうぐを 
2165 つくるように なりました。
2166 でも、どれも これも いしを けずった どうぐばかりでした。
2167 だんだん てさきが きように なった にんげんは、
2168 ちいさな どうぐも つくれるように なりました。
2169 けものの ほねや つのを こまかく けずって、
2170 はりや、もりを つくりました。
2171 ひは あたたかくて べんりです。
2172 にんげんにとって なくては ならない ものです。
2173 はじめは やまかじや かざんの ようがんから とって いましたが、
2174 やがて じぶんで つくりだすように なりました。
2175 おおきな けものを あいてにするときは 
2176 ないふでは まけてしまいます。
2177 はなれた ところから なげつけて 
2178 あいてを たおす やりが べんりです。
2179 いしで つくった やじりを、
2180 きの えだに むすびつけた やりです。
2181 きかいは どうぐと どうぐを くみあわせた
2182 ものです。ですから、ゆみと やは さいしょの きかいです。
2183 すばやい えものや、とおくに いる えものは、
2184 ゆみやで とりました。
2185 にんげんは、けものを おって くらす せいかつから、
2186 ひとところに すみついて こくもつを そだてて 
2187 くらすように なりました。
2188 そのため、つちを ほったり、たがやしたりする どうぐや、
2189 みのった こくもつを かりとる どうぐが くふうされました。
2190 ひを つかう かまどの まわりの つちが かたく
2191 なるのに きがついた にんげんは、
2192 やがて つちを うつわの かたちに つくって 
2193 ひで やき、どきを つくりました。
2194 どきは かりいれた こくもつを 
2195 しまっておくのに べんりでした。
2196 ひとところで とれた こくもつは、ほかの ところで 
2197 とれた ものと こうかんするように なりました。
2198 きを きりぬいて つくった まるきぶねは、
2199 その こうかんに とても べんりな どうぐでした。
2200 どうぐに するような かたい いしが みつけにくく なったころ、
2201 にんげんは どうを みつけました。
2202 どうは ねつを くわえると やわらかく なりましたので、
2203 とても するどい ないふを つくることも できました。
2204 どうは にんげんの くらしを かえました。
2205 どうの ぶきを つかって、ちからの つよい
2206 ものが よわいものを したがえるように なり、
2207 おうや どれいが うまれました。
2208 おうは きゅうでんや はかを つくりましたが、
2209 そのための いしを はこぶのに くるまが つくりだされました。
2210 にんげんが すべての しごとをした じだいから、
2211 どうぶつが にんげんの かわりに はたらく じだいに なりました。
2212 そして このころ、どうよりも もっと つよい 
2213 てつを みつけたのです。
2214 てつは、どうよりも とかしやすく、しかも つよかったので、
2215 たちまち せかいじゅうで つかわれるように なりました。
2216 うしを つかって てつの すきで とちを たがやすと、
2217 いままでの なんばいもの はたらきが できるように なりました。
2218 てつは くらしを べんりにも してくれましたが、
2219 たたかいに つかわれる ぶきをも しんぽさせました。
2220 これは いしゆみです。
2221 かやくを つかって、ほそい あなから とびだす てつの たまは、
2222 とおく はなれた えものを たおします。
2223 てっぽうは てつが なかったら うまれなかった ぶきです。
2224 ぱんは こくもつの こなで つくります。
2225 こなを つくるには、こくもつを くだかなければなりません。
2226 すいしゃは みずさえ あれば いちにちじゅう うごきます。
2227 かぜの ふく ちほうでは ふうしゃも つかわれました。
2228 みずを ねっすると、おゆになり、やがて 
2229 じょうきを ふきだします。
2230 その とき、じょうきが すごい ちからを 
2231 もって いる ことが わかりました。
2232 その じょうきの ちからを りようして 
2233 ふねや きしゃを うごかしました。
2234 みずの ちからや、ひの ちからで、
2235 はつでんきを まわして でんきを つくります。
2236 でんきは わたしたちの せいかつに なくては
2237 ならない ものです。
2238 いねかりきは いままで にんげんが 
2239 てや いくつかの どうぐを つかって してきた
2240 しごとを いちだいで ぜんぶ します。
2241 この きかいは、いろいろな どうぐを 
2242 くみあわせた ものなのです。
2243 にんげんの めには みえない ものを みたり、
2244 おとよりも はやく とんだり、
2245 ふかい うみの そこへ もぐったり、
2246 うちゅうへ きかいを とばせたり、にんげんの 
2247 ちからを こえる はたらきが できるように なりました。
2248 くうきの ない ところまでも いける どうぐです。たまごが われて いぬが「こんにちは」して
2249 います。
2250 へんですね。へんですね。
2251 いぬが たまごから うまれるの みたこと
2252 ありますか。
2253 いぬなどの けものは たまごでは うまれません。
2254 おかあさんの からだから あかちゃんで うまれます。
2255 そして おかあさんの おちちを のんで そだちます。
2256 でも、どうして けものは たまごで うまれないのでしょう。
2257 たまごは ふつう あたたかい
2258 ときに うまれます。
2259 でも、きゅうに さむくなる
2260 ときも ありますね。
2261 つよい かぜが ふいてきたり、
2262 ものが おちてきたり、
2263 たまごには きけんが いっぱいです。
2264 たまごが てきに はっけんされると どうでしょう。
2265 かならず たべられます。なぜでしょう。
2266 たまごは うごけないからです。
2267 いわしが たまごを うんで います。
2268 なんまんと いう かずの たまごです。
2269 たまごは たべられやすいので、
2270 たくさん うんで ひとつか ふたつでも 
2271 いきのこれば いいと いわしは おもって
2272 います。
2273 いもりは さんしょううおや かえるの しんせきです。
2274 おおむかし、さかなが りくに あがったころの 
2275 どうぶつの なかまです。
2276 りくの うえで くらしたり、
2277 みずの なかで くらしたりして います。
2278 いもりは たまごを みずくさにつけて うみます。
2279 てきに みつけられることが すくないので、
2280 さかなほど たくさんは うみません。
2281 いもりの なかまが りくに あがったまま、
2282 りくで くらしたのが とかげです。
2283 みずの ない ところで たまごを うみますので、
2284 みずの はいった からが つくように なりました。
2285 これなら てきの こない ばしょに 
2286 たまごを うむことが できます。
2287 かものはしは けも はえて いますし、
2288 おちちも だしますから けものです。
2289 しかし、とかげに とても よく にて いる けものです。
2290 かものはしは からだの しくみは けものですが、
2291 たまごを うみます。
2292 そこで、けものの せんぞが とかげの なかまから 
2293 うつりかわる ときの いきのこりの 
2294 どうぶつだと いわれます。
2295 けものは たまごでは うまれませんけれど、
2296 おかあさんの からだの なかには たまごが あるのです。
2297 たまごを そだてる えいようは おかあさんの
2298 からだから もらって います。
2299 おかあさんの からだの なかで そだつのは とても いいです。
2300 からだの なかですから、さむくても あかちゃんは そだちます。
2301 たまごのように ふみつぶされることも ありません。
2302 てきに おそわれても、おかあさんの からだの なかに いますから、
2303 いっしょに にげられます。
2304 らいおんに おそわれた れいようの おかあさんが 
2305 すごい はやさで にげて います。
2306 らいおんも あきらめるばかりです。
2307 うまが あかちゃんを うんで います。
2308 あかちゃんには しろい まくが ついて
2309 いますが、じつは この なかで そだって いたのです。
2310 うまれても しんぱい ない ときまで、
2311 おかあさんの おなかの なかで おおきく なるのです。
2312 あかちゃんが うまれると、おかあさんは 
2313 したで なめて しろい まくを とって あげます。
2314 けものは ふつう いっぴき うんで、
2315 その いっぴきを たいせつに そだてます。
2316 くさを たべる けものの あかちゃんは 
2317 うまれると まもなく たちあがって あるきます。
2318 てきが おおいので すぐに にげられるように 
2319 くふうされて います。
2320 あかちゃんは、じぶんで たべものを とれるように なるまで、
2321 おかあさんの おちちで そだちます。
2322 おちちには おおきく なるのに ひつような えいようが 
2323 ぜんぶ はいって いますから、
2324 おちちだけで あかちゃんは おおきく なるのです。
2325 どの けものの おやも、
2326 あかちゃんを たいせつに そだてます。
2327 らいおんや とらのように、にくを たべる 
2328 けものの あかちゃんは、うまれてから 
2329 そだつのに じかんが かかります。
2330 これは、えものを とるのに、おとうさんや 
2331 おかあさんから いろいろの ことを まなばなければ
2332 いきて いけないので ながい じかんが ひつようなのです。
2333 るいじんえんは ほかの けものよりも 
2334 ひとに ちかくて、とても りこうです。
2335 かぞくで くらして、いろいろの ことを べんきょう します。
2336 だから、ひとのように おとなに なるのに 
2337 じかんが かかります。
2338 たって あるいても、ひとは けものです。
2339 やはり、こどもは あかちゃんで うまれます。
2340 おなかの おおきく なった おかあさんを 
2341 みかける ことが あるでしょう。
2342 うまれた あかちゃんは おかあさんの おちちで そだちます。
2343 おとうさんと おかあさんから 
2344 いろいろな ことを おしえられますね。
2345 ひとは うまれてから じぶんで くらせるように なるには 
2346 にじゅうねんも かかります。
2347 いろいろな ことを べんきょうして、
2348 おおきく なるのです。
2349 どうぶつが りくに あがり、ひとが あかちゃんを 
2350 うむように なるまで かかった ねんすうは 
2351 さんおく ごせんまんねんです。
2352 かんがるーは あかちゃんが まだ よわい うちに 
2353 うんでしまいます。
2354 うまれてから おかあさんの おなかの 
2355 ふくろに いれて おおきくします。
2356 いえは ひとの すむ はこと いえます。
2357 わたしたちの いえには だいどころや いまや ふろばが あり、
2358 とても つかいやすく できて います。
2359 では、むかしから こんなに すみやすい 
2360 いえで あったのでしょうか。
2361 わたしたちの せんぞの いえは、また、
2362 とおい くにの ひとたちの いえは 
2363 どんななのか みてみましょう。
2364 ほっきょくの えすきもーじんという ひとびとは 
2365 こおりの いえで くらして います。
2366 こおりの いえの なかは とても あたたかいし、
2367 こおりは どこにでも あるので、えすきもーの 
2368 ひとには べんりで たいせつな いえです。
2369 たいようが てりつける さばくの まちは、
2370 どろや つちで つくった いえが あります。
2371 たいようの ひざしは とても つよく、
2372 ものすごい あつさに なりますが、
2373 ひかげに はいると とても すずしいのです。
2374 ですから、つちの いえは ひんやりとして いて、
2375 さばくの くらしに つごう よく できて います。
2376 すかんじなびあはんとうという ところは、
2377 とても もりが おおい ところで、そこでは 
2378 たくさん ある きを つかって いえを つくります。
2379 こうして その とちに たくさん ある ざいりょうを 
2380 つかって、いえは つくられて きました。
2381 これは あいるらんどの あらんとうという 
2382 しまの ひとたちの いえです。
2383 ここには きは あまり なく、いしが とても 
2384 たくさん とれるので いえも へいも ぜんぶ 
2385 いしで つくられて います。
2386 かぜが つよい ところなので、いしの いえは 
2387 とても つごうが よいのです。
2388 いんどねしあには このような みずの うえの 
2389 いえが たくさん あります。
2390 これは むしあつい ねったいに すむ 
2391 ひとびとの くらしの ちえなのです。
2392 すずしいし、へびや けものも こないので 
2393 とても べんりです。
2394 あつい あつい あふりかの そうげんには、
2395 つちと くさしか ざいりょうが ありません。
2396 そこで、うしの ふんや どろを かためて、
2397 かべをつくり、くさを ほして やねを つくります。
2398 これは にっぽんの いなかの のうかです。
2399 かやのような くさで やねを ふいて、きや 
2400 たけを つかって こんな りっぱな いえを つくりました。
2401 これは わらぶきやねの いえです。
2402 おおむかし、にんげんの せんぞは まだ 
2403 もりの きの うえに いました。
2404 その ころは あめや あらしが くると、
2405 きの うえに かけあがって、こかげで 
2406 じっとして あめの とおりすぎるのを まったのです。
2407 やがて、にんげんの せんぞは ほかの さると わかれて、
2408 もりから でて、そうげんで くらし はじめました。
2409 そうげんには たべものが たくさん あるからです。
2410 そして、すみかには、かぜも あめも あたらない 
2411 ほらあなを みつけました。
2412 ほらあなは あめも かぜも ふせぐ ことが できますが、
2413 えものを おって くらすには ふべんです。
2414 えものが いなく なると、いる ところまで 
2415 おって いかなければ ならないからです。
2416 そこで かんがえたのが この てんとです。
2417 けものの けがわを きの えだや ほねに かけ、
2418 まわりを ほねで おさえた ものです。
2419 もって あるくのに とても べんりです。
2420 やがて、なんまんねんか たち、にんげんは 
2421 けものを おう ことを やめて、けものを
2422 かう ことを おぼえました。
2423 そうなると、もう てんとを もって 
2424 あるく ひつようは ありません。
2425 けものが たべる くさが ある あいだ、
2426 きまった ばしょに すみつく 
2427 てんとが あれば よいのです。
2428 ひるまは のんびりと うしを おったり、
2429 ちちしぼりを したり します。
2430 いままでの よるだけの くらしでは なく、
2431 ひるまでも てんとの なかで すごすように なりました。
2432 やがて、みなみの ほうの ひとたちが、
2433 むぎの たねが とても おいしい ことに きが つき、
2434 しぜんに はえて いる ものを とる ことから、
2435 うえて そだてる ことを はじめました。
2436 この ことは、たちまち せかいじゅうに ひろがって、
2437 きまった ばしょに いっしょう すみつく 
2438 ひとびとが あらわれました。
2439 その ひとたちの いえは、つちを まるく ほり、
2440 まんなかに ろを おいた ものです。
2441 あじあの みなみの ほうから、むぎで なく、
2442 こめの つくりかたが ひろがりはじめ、
2443 にっぽんにも きました。
2444 それと いっしょに、あまった いねを 
2445 ためて おく そうこの つくりかたも つたわりました。
2446 この いえは なつ すずしく、ふゆ あたたかいので、
2447 やがて ひとが すむことに なります。
2448 いねは みんなが ちからを あわせて つくりました。
2449 すると、いねは あまって、たくさん 
2450 もつ ひとと、すこししか もたない 
2451 ひとが あらわれました。
2452 たくさん もった ひとは もう 
2453 あくせく はたらかず、ひるまも いえの なかで 
2454 すごすように なりました。
2455 これが きぞくの はじまりです。
2456 そこで、いえも、ひとへやでは せまいので、
2457 かぞくや けらいの へやは のきを つきだして 
2458 ひさしと よばれる ところに つくられました。
2459 こうして、ひとへやの いえから、ふたへやや 
2460 みへやの いえに うつって いきます。
2461 やがて まどが つくられました。
2462 かぜとおしや あかりとりに とても 
2463 つごうが よい ことが わかり、いろいろと 
2464 くふう されて つたわって いきました。
2465 やねも あめや ひょうや あられが ふると、
2466 かやや くさぶきでは たちまち しみとおるので、
2467 いろいろ くふうされ、かわらが つくられました。
2468 かわらは つちを ねって、ひで やき、
2469 たくさん ならべて じょうぶで ながもち しました。
2470 にっぽんでは、おてらに はじめて つかわれたようです。
2471 たいせつな ほとけさまを まもるためです。
2472 ざいりょうの ない ところでは、やねと 
2473 いっしょに かべも いろいろ くふうされ、
2474 かんがえられたのが れんがです。
2475 ねんどを ねって たいように ほして いたのが、
2476 ひで やくと じょうぶに なる ことが わかりました。
2477 かわらと れんがの くふうで、ほとんど どこにでも 
2478 いえを たてる ことが できるように なりました。
2479 そして、おおきく ひろくです。
2480 にっぽんより もっと まえに、ぎりしゃという くにでは、
2481 ふたへやから もっと たくさんの へやを もち、
2482 それぞれの へやが もくてきを もって 
2483 つくられた いえが できて いました。
2484 いまの わたしたちの いえの はじまりです。
2485 ぎりしゃに へやが たくさん ある いえが 
2486 つくられるようになってから ごせんろっぴゃくねんぐらい 
2487 たつと、よーろっぱには ちからを もった 
2488 にんげんが ほうぼうに あらわれました。
2489 そして、じぶんの りょうどを まもるために、
2490 しろを きずいて たたかいを はじめました。
2491 そのため ここには たくさんの ひとが すみ、
2492 しろは たたかうための いえに なりました。
2493 せいかつに ひまが できた にんげんは、
2494 きゃんぷを する ことを かんがえました。
2495 この きゃんぷのために かんがえられたのが、
2496 とれーらーはうすです。
2497 しぜんの なかを うつりすむ ことは、
2498 とおい むかしの せんぞの すがたが しのばれます。
2499 むかしは たべるために うつりすんで いたのが、
2500 いまは せいかつを たのしむためと いえます。
2501 いまの しろみたいと いえるのが、だんちです。
2502 しろのように おおきくて、ひとつの たてものに 
2503 たくさんの ひとが すんで いますね。
2504 でも、これは たたかうための いえでは ありません。
2505 ここでは たくさんの かぞくが それぞれ 
2506 どくりつ して すんで いるのです。
2507 ですから、だんちは いえの あつまりと いえます。
2508 こうして いまも、たくさんの ひとが すこしも 
2509 すみよい  いえを おかねを かけずに つくろうと 
2510 くふう して います。
2511 この いえは ひとつ ひとつを こうじょうで つくり、
2512 あとからつみかさねて いく いえです。
2513 みた めも うつくしく、すみよい いえなのです。