Merge branch 'KaoriYa'
[MacVim/KaoriYa.git] / runtime / doc / usr_05.jax
blobdfcb5ad9f549daba6e36863b667f35efff7b0856
1 *usr_05.txt*    For Vim バージョン 7.2.  Last change: 2007 May 11
3                      VIM USER MANUAL - by Bram Moolenaar
5                                   設定の変更
8 あなたの望みどおりに Vim をチューニングできます。本章では、好みの設定で Vim を
9 起動する方法を説明します。Vim にプラグインを追加して機能拡張したり、自分でマク
10 ロを定義する方法も説明します。
12 |05.1|  vimrc ファイル
13 |05.2|  見本 vimrc ファイルの解説
14 |05.3|  簡単なマップ
15 |05.4|  プラグインの追加
16 |05.5|  ヘルプファイルの追加
17 |05.6|  オプションウィンドウ
18 |05.7|  よく使うオプション
20 次章: |usr_06.txt|  構文強調表示
21 前章: |usr_04.txt|  簡単な編集
22 目次: |usr_toc.txt|
24 ==============================================================================
25 *05.1*  vimrc ファイル                                      *vimrc-intro*
27 よく使うコマンドを入力するのが面倒に感じたことがあるでしょう。好みのオプション
28 やマップを設定した状態で Vim を起動するには、vimrc というファイルに設定を書い
29 てください。そのファイルに書いたコマンドは、Vim が起動するときに実行されます。
31 すでに vimrc ファイルがある場合 (例えばシステム管理者が設置した場合など) は、
32 次のコマンドでそのファイルを開くことができます: >
34         :edit $MYVIMRC
36 vimrc ファイルがまだない場合は |vimrc| を参照して vimrc ファイルを作成する場所
37 を確認してください。":version" コマンドで表示される "ユーザ vimrc" の表示を見
38 て確認することもできます。
40 Unix と Macintosh ではこのファイルを使ってください。
42         ~/.vimrc ~
44 MS-DOS と MS-Windows では次のどちらかです。
46         $HOME/_vimrc ~
47         $VIM/_vimrc ~
49 vimrc ファイルには、コロン (:) を押してから入力するコマンドなら、どのコマンド
50 でも書くことができます。一番わかりやすいのはオプション設定です。例えば、毎回
51 'incsearch' オプションをオンに設定したい場合は、vimrc ファイルに次の一行を加え
52 ます。 >
54         set incsearch
56 この新しい行を有効にするには、Vim を終了し、再起動する必要があります。再起動し
57 ないで設定を反映する方法は後で説明します。
59 この章では、ごく基本的な項目だけを説明します。Vim スクリプトのより詳しい情報に
60 ついては |usr_41.txt| を参照してください。
62 ==============================================================================
63 *05.2*  見本 vimrc ファイルの解説                        *vimrc_example.vim*
65 第一章では、Vim の配布物に付属の見本 vimrc ファイルを使って、非互換モード
66 (|not-compatible|参照) で Vim を起動する方法を説明しました。見本 vimrc ファイ
67 ルは次のディレクトリにあります:
69         $VIMRUNTIME/vimrc_example.vim ~
71 この節では、このファイルで使われているコマンドを説明します。自分用の設定をする
72 ときの参考にしてください。しかし、全てを説明するわけではないので、詳しいことは
73 ":help" コマンドで調べてください。
76         set nocompatible
78 第一章で述べたように、このマニュアルでは「Vim」について説明しているので、Vi と
79 は完全に互換性がない部分があります。動作を同じにするには、'compatible' オプ
80 ションをオフに設定する必要があります。
83         set backspace=indent,eol,start
85 挿入モードで <BS> を使って削除できる文字を指定しています。コンマで区切られた三
86 つの部分はそれぞれ次の文字の削除を許可しています。
87     indent  行頭の空白
88     eol     改行
89     start   挿入モード開始位置より手前の文字
92         set autoindent
94 新しい行を作成したときに、直前の行と同じだけインデントされるようになります。つ
95 まり、新しい行の行頭に直前の行と同じだけの空白が挿入されます。例えば、挿入モー
96 ドで <Enter> キーを押したときや、"o" コマンドで新しい行を作成したときに機能し
97 ます。
100         if has("vms")
101           set nobackup
102         else
103           set backup
104         endif
106 ファイルを上書きしたときに、バックアップファイルを削除しないように指定していま
107 す。ただし VMS システムでは OS が古いバージョンを保持してくれるので、オフにし
108 ています。バックアップファイルのファイル名はオリジナルの名前に "~" を加えたも
109 のになります。|07.4|を参照してください。
112         set history=50
114 コマンドを50個分、検索パターンを50個分、ヒストリ(履歴)として残します。記録の容
115 量を増減したいときはこの値を変更してください。
118         set ruler
120 現在のカーソル位置(行、桁)を Vim ウィンドウの右下に常に表示します。
123         set showcmd
125 入力途中の (まだ実行していない) コマンドを Vim ウィンドウの右下 (rulerの左側)
126 に表示します。例えば、"2f" と入力したとき、Vim は検索文字の入力を待っていて、
127 画面の右下には "2f" と表示されます。次に "w" と入力すると、"2fw" というコマン
128 ドが完成するので、それが実行され、画面の "2f" という表示も消去されます。
130         +-------------------------------------------------+
131         |text in the Vim window                           |
132         |~                                                |
133         |~                                                |
134         |-- VISUAL --                   2f     43,8   17% |
135         +-------------------------------------------------+
136          ^^^^^^^^^^^                  ^^^^^^^^ ^^^^^^^^^^
137           'showmode'                 'showcmd'  'ruler'
140         set incsearch
142 検索パターンを入力中に、入力途中のパターンにマッチする文字列を表示します。
145         map Q gq
147 キーマップを定義しています。詳しくは次の節で述べます。ここでは、"gq" オペレー
148 タのフォーマット機能を "Q" コマンドとして定義しています。"Q" の動作が Vim 4.0
149 以前と同じになります。実際の "Q" は EX モードへの移行コマンドですが、おそらく
150 必要ないでしょう。
153         vnoremap _g y:exe "grep /" . escape(@", '\\/') . "/ *.c *.h"<CR>
155 このマップは、選択されたテキストをヤンクして、それを C ファイルの中から検索し
156 ます。これは複雑なマップです。マップを使ってとても難しいことができるということ
157 が分かってもらえたと思います。とはいっても、実際にコマンドを手入力するのと同じ
158 ように一連のコマンドを実行しているに過ぎません。
161         if &t_Co > 2 || has("gui_running")
162           syntax on
163           set hlsearch
164         endif
166 カラー表示が使えるかどうかを確認し、構文強調表示を有効にしています。さらに、
167 'hlsearch' オプションをオンにして、検索にマッチした箇所が強調表示されるように
168 しています。特定の条件のときだけオプションを設定したい場合は "if" コマンドが便
169 利です。 詳しくは、|usr_41.txt|を参照してください。
171                                                         *vimrc-filetype*  >
172         filetype plugin indent on
174 三つの便利な機能を有効にしています:
175 1. ファイルタイプの検出
176    ファイルを開いたときに、そのファイルの種類を特定します。例えば、"main.c" を
177    開いた場合は、拡張子の ".c" を見てファイルタイプは "c" だと判断します。ファ
178    イルの一行目が "#!/bin/sh" で始まっていた場合は、ファイルタイプは "sh" だと
179    判断します。
180    検出されたファイルタイプは構文強調と次の 2 つの項目で使われます。
181    |filetypes|参照。
183 2. ファイルタイププラグインを使う
184    ファイルを開いたときに、ファイルタイプに応じたオプションが設定されます。例
185    えば、"c" ファイルの場合なら自動的にインデントしてくれる'cindent' オプショ
186    ンは欠かせないでしょう。こういった、一般的に便利な設定がファイルタイププラ
187    グインの中に入っています。自分でプラグインを追加することもできます。
188    |write-filetype-plugin|参照。
190 3. インデントファイルを使う
191    プログラミング言語のインデントはほとんど自動的に計算できます。Vim にはファ
192    イルタイプに応じたインデントルールが数多く用意されています。
193    |:filetype-indent-on| と 'indentexpr' 参照。
196         autocmd FileType text setlocal textwidth=78
198 行が長くなりすぎないように78文字で分割するように指定しています。このルールはテ
199 キストファイルにだけ適用されます。この記述には二つの要素があります。"autocmd
200 FileType text" はオートコマンド定義です。この場合、ファイルタイプが "text" に
201 設定されたときに、指定したコマンドが自動的に実行されます。"setlocal
202 textwidth=78" はそのファイルの 'textwidth' オプションを 78 に設定しています。
204                                                         *restore-cursor*  >
205         autocmd BufReadPost *
206             \ if line("'\"") > 0 && line("'\"") <= line("$") |
207             \   exe "normal g`\"" |
208             \ endif
210 オートコマンドをもう一つ。ファイルを読み込んだ直後に実行されるオートコマンドを
211 定義しています。後ろのごちゃごちゃした部分は「'" マークが定義されているかどう
212 かをチェックし、定義があればそこにジャンプする」という意味です。コマンドを複数
213 行に分けて書くために、行頭に "\" を書いています。行がやたらと長くなるのを防ぐ
214 ためです。|line-continuation|参照。"\" は Vim スクリプト内でのみ使えます。コマ
215 ンドラインで入力するときは使えません。
217 ==============================================================================
218 *05.3*  簡単なマップ
220 マップを使うと、複数のコマンドを 1 つのキー繰作にまとめることができます。例え
221 ば、ある単語を {} で囲みたいとします。つまり、"amount" を "{amount}" にしたい
222 わけです。:map コマンドを使って、その操作を <F5> キーに割り当てることができま
223 す。次のように書きます。 >
225         :map <F5> i{<Esc>ea}<Esc>
227         Note:
228         このコマンドを入力するときの注意点。
229         <F5> 見たままのは 4 文字の文字列として入力してください。<Esc> も同じで
230         す。<Esc> キーを押すのではなく、 5 文字の文字列として入力してください。
231         このマニュアルを読むときはその違いに注意してください !
233 この定義を分解してみましょう。
234     <F5>        ファンクションキーのF5です。このキーを押すと、定義してあるコマ
235                 ンドが実行されます。
237     i{<Esc>     "{" 文字を挿入し、<Esc> キーで挿入モードから抜けます。
239     e           単語の末尾に移動します。
241     a}<Esc>     "}" 文字を追加します。
243 この ":map" コマンドを実行した後は、カーソルを単語の先頭に動かして F5 キーを押
244 すだけで単語の両側に {} を追加できます。
246 この例では、コマンドは 1 キーでしたが、どの文字列でも割り当てることができます。
247 ただし、Vim のコマンドと同じ文字列を割り当てると、元のコマンドが使えなくなるの
248 で、それは避けた方が無難です。
249 複数キーを組み合わせるときには、バックスラッシュ(日本語環境では円記号)がよく使
250 われます。マップをたくさん定義したい場合は、複数文字を使ってください。例えば、
251 単語を () で囲むには "\p" で、単語を {} で囲むには "\c" で、といったことができ
252 ます。 >
254         :map \p i(<Esc>ea)<Esc>
255         :map \c i{<Esc>ea}<Esc>
257 "\" と "p" はくっつけてください。そうすれば Vim は 2 文字のマップだと認識でき
258 ます。
260 引数なしの ":map" コマンドで現在のマップ定義の一覧を表示できます。表示された
261 マップは、少なくともノーマルモードで使えます。より詳しくは|40.1|章を参照してく
262 ださい。
264 ==============================================================================
265 *05.4*  プラグインの追加                                *add-plugin* *plugin*
267 プラグインを追加することで機能拡張できます。プラグインといっても、Vimが起動さ
268 れたときに自動的に読み込まれるだけの、ただの Vim スクリプトファイルです。ファ
269 イルをプラグインディレクトリにコピーするだけで簡単にプラグインを追加できます。
270 {|+eval|が有効な場合のみ利用できます}
272 2 種類のプラグインがあります。
274   グローバルプラグイン      全種類のファイルで使われるプラグイン
275   ファイルタイププラグイン  特定タイプのファイルでのみ使われるプラグイン
277 まず、グローバルプラグインについて説明し、次にファイルタイププラグインの説明
278 |add-filetype-plugin|をします。
281 グローバルプラグイン                                      *standard-plugin*
282 --------------------
284 Vim を起動すると、自動的にいくつものグローバルプラグインがロードされます。特に
285 何もしなくて大丈夫です。グローバルプラグインは、ほとんどの人が欲しいと思うだろ
286 う機能を提供しています。それらの機能は Vim の中にコンパイルして組み込まれてい
287 るのではなく、Vim スクリプトとして実装されています。ヘルプの目次にプラグインの
288 一覧があります|standard-plugin-list|。|load-plugins|も参照してください。
290                                                         *add-global-plugin*
291 グローバルプラグインを追加すると、いつでもその機能を使えるようになります。
292 グローバルプラグインを追加するのは簡単です。
293 1. プラグインを入手する
294 2. 正しいディレクトリにコピーする
297 グローバルプラグインを入手する
298 ------------------------------
300 プラグインはどこにありますか?
301 - Vim の配布物にいくつか含まれています。$VIMRUNTIME/macros ディレクトリをご覧
302   ください
303 - インターネットからダウンロードする。たくさんのプラグインが
304   http://www.vim.org にあります。
305 - Vim のメーリングリスト|maillist|に投稿されることもあります。
306 - あなたが自作することもできます。プラグインの書き方|write-plugin|をどうぞ。
308 いくつかのプラグインは vimball アーカイブで配布されています。|vimball|参照。
309 いくつかのプラグインは自動更新可能です。|getscript|参照。
312 グローバルプラグインを使う
313 --------------------------
315 まず、プラグイン自身のドキュメントを読んで、動作条件を確認してください。
316 次にそれをプラグインディレクトリにコピーします。
318         system          plugin directory ~
319         Unix            ~/.vim/plugin/
320         PC や OS/2       $HOME/vimfiles/plugin or $VIM/vimfiles/plugin
321         Amiga           s:vimfiles/plugin
322         Macintosh       $VIM:vimfiles:plugin
323         Mac OS X        ~/.vim/plugin/
324         RISC-OS         Choices:vimfiles.plugin
326 Unixの場合の例 (プラグインディレクトリがまだない場合) >
328         mkdir ~/.vim
329         mkdir ~/.vim/plugin
330         cp /usr/local/share/vim/vim60/macros/justify.vim ~/.vim/plugin
332 これだけです。vimを再起動するとプラグインで定義されたコマンドが使えます。
334 plugin/ ディレクトリ以下にファイルを置く代わりに、それらのファイルを plugin/
335 ディレクトリ以下のサブディレクトリに置くこともできます。例えば、Perl 用のプラ
336 グインを "~/.vim/plugin/perl/*.vim" に置いたりできます。
339 ファイルタイププラグイン            *add-filetype-plugin* *ftplugins*
340 ------------------------
342 Vim の配布パッケージにはたくさんのファイルタイププラグインが入っています。
343 次のコマンドで利用開始できます。 >
345         :filetype plugin on
347 これだけです。|vimrc-filetype|も参照してください。
349 使いたいファイルタイププラグインがない場合や、標準より良いものを見つけた場合
350 は、追加することもできます。ファイルタイププラグインの追加は次の手順で行いま
351 す:
352 1. プラグインを入手する
353 2. 正しいディレクトリにコピーする
356 ファイルタイププラグインを入手する
357 ----------------------------------
359 ファイルタイププラグインもグローバルプラグインと同じ方法で入手できます。プラグ
360 インの種類が記載されているのでそれを見て、そのプラグインがグローバルプラグイン
361 かファイルタイププラグインか確認してください。$VIMRUNTIME/macros に入っている
362 のはグローバルプラグインです。$VIMRUNTIME/ftplugin に入っているのはファイルタ
363 イププラグインです。
366 ファイルタイププラグインを使う                         *ftplugin-name*
367 ------------------------------
369 ファイルタイププラグインは正しいディレクトリにコピーするだけで追加できます。
370 ディレクトリの場所はグローバルプラグインと同じですが、ディレクトリ名の最後の部
371 分が "ftplugin" となります。例えば "staff" ファイルタイプ用のプラグインを Unix
372 システムに入れるとしましょう。入手したファイルを次のコマンドで ftplugin ディレ
373 クトリに移します: >
375         mv thefile ~/.vim/ftplugin/stuff.vim
377 そのファイルがすでにある場合は、既存のプラグインと追加しようとしているプラグイ
378 ンを同時に使っても問題ないかどうか確認してください。問題がなければ別の名前に変
379 えましょう: >
381         mv thefile ~/.vim/ftplugin/stuff_too.vim
383 アンダースコアはファイルタイプの名前とそれ以外を区切るのに使います。アンダース
384 コア以降はどんな文字列でも構いません。しかし、"otherstuff.vim" といった名前に
385 した場合はうまく動きません。そのファイルは "otherstuff" というファイルタイプの
386 ときにだけロードされます。
388 MS-DOS では長いファイル名が使えません。プラグインを追加するときに、ファイルタ
389 イプ名が 6 文字以上だと問題が生じます。そういうときはさらにディレクトリを掘っ
390 てください: >
392         mkdir $VIM/vimfiles/ftplugin/fortran
393         copy thefile $VIM/vimfiles/ftplugin/fortran/too.vim
395 ファイルタイププラグインの名前付けルールは次の通りです: >
397         ftplugin/<filetype>.vim
398         ftplugin/<filetype>_<name>.vim
399         ftplugin/<filetype>/<name>.vim
401 "<name>" の部分はどんな文字列でも構いません。
402 以下は Unix での "staff" ファイルタイプの例です: >
404         ~/.vim/ftplugin/stuff.vim
405         ~/.vim/ftplugin/stuff_def.vim
406         ~/.vim/ftplugin/stuff/header.vim
408 <filetype> の部分はプラグインの対象になっているファイルタイプ名です。同じファ
409 イルタイプのファイルだけがそのプラグインを使います。<name> の部分は無視されま
410 す。一つのファイルタイプに複数のプラグインを登録する場合に使ってください。
411 Note: ファイルの拡張子は必ず ".vim" にしてください。
414 詳しくは以下を参照してください:
415 |filetype-plugins|      ファイルタイププラグインについてのドキュメントと、マッ
416                         プで問題が発生した場合の対処方法。
417 |load-plugins|          起動時にロードされるグローバルプラグイン。
418 |ftplugin-overrule|     標準のファイルタイププラグインの設定を上書きする。
419 |write-plugin|          プラグインスクリプトの書き方。
420 |plugin-details|        プラグインの使い方やプラグインが動かない場合について
421                         の詳細な情報。
422 |new-filetype|          新しいファイルタイプを追加するには。
424 ==============================================================================
425 *05.5*  ヘルプファイルの追加              *add-local-help* *matchit-install*
427 運が良ければ、プラグインにはヘルプファイルが添付されています。ここでは、ヘルプ
428 ファイルのインストール方法を説明します。 インストールしておけば新しいプラグイ
429 ンのヘルプを簡単に調べることができます。
430 "matchit.vim" プラグイン (Vim の配布パッケージに入っています) を例にやってみま
431 しょう。このプラグインは "%" コマンドを拡張し、対応する HTML タグや、Vim スク
432 リプトの if/else/endif間でジャンプできるようにします。これはとても便利です。後
433 方互換性がないので、標準では有効になっていません。
434 このプラグインにはヘルプ "matchit.txt" が付属しています。最初にプラグイン本体
435 を適切なディレクトリにコピーしましょう。今回は Vim の中から操作するので、
436 $VIMRUNTIME が使えます。(ディレクトリがすでにある場合は、"mkdir" コマンドを省
437 略してください。) >
439         :!mkdir ~/.vim
440         :!mkdir ~/.vim/plugin
441         :!cp $VIMRUNTIME/macros/matchit.vim ~/.vim/plugin
443 "cp" は Unix のコマンドです。MS-DOS では "copy" を使ってください。
445 次に 'runtimepath' のいずれかのディレクトリに "doc" ディレクトリを作ります。 >
447         :!mkdir ~/.vim/doc
449 "doc" ディレクトリにヘルプファイルをコピーします。  >
451         :!cp $VIMRUNTIME/macros/matchit.txt ~/.vim/doc
453 続いて、新しいヘルプファイルの項目にジャンプできるように仕掛けをします。
454 |:helptags|コマンドを使ってタグファイルを生成してください。 >
456         :helptags ~/.vim/doc
458 さて、これで次のコマンドが使えます。 >
460         :help g%
462 これは上で追加したヘルプファイルの中から "g%" のヘルプを探すコマンドです。次の
463 コマンドでローカルヘルプの目次を見ることができます。 >
465         :help local-additions
467 ここには、インストールしたローカルヘルプのタイトルが自動的に追加されます。ここ
468 を見れば、どんなローカルヘルプが追加されているかわかります。ここからタグジャン
469 プもできます。
471 ローカルヘルプファイルの書き方については|write-local-help|を参照してください。
473 ==============================================================================
474 *05.6*  オプションウィンドウ
476 何かのオプションを探しているなら、ヘルプファイル |options| から見つけることが
477 できるでしょう。もう一つ、次のコマンドを使う方法もあります: >
479         :options
481 新しいウィンドウが開き、一行解説付きのオプションの一覧が表示されます。オプショ
482 ンは種類別にグループ化されています。カーソルを目次の上に動かして <Enter> を押
483 すとそこにジャンプできます。もう一度 <Enter> を押すか、CTRL-O を押すと戻れま
484 す。
486 その場でオプションの値を設定できます。例えば、"displaying text" グループに移動
487 し、カーソルを次の行まで持っていきます:
489         set wrap        nowrap ~
491 ここで <Enter> を押すと、表示が次のようになります:
493         set nowrap      wrap ~
495 このオプションはオフになりました。
497 この行の上には 'wrap' オプションの簡単な説明があります。説明のところにカーソル
498 を動かして、<Enter> を押すと、'wrap' オプションのヘルプにジャンプできます。
500 数値や文字列を引数に取るオプションの場合、値を編集できます。修正後に<Enter>
501 キーを押すとそれが新しい値として設定されます。例えば、カーソルを次の行まで
502 ('wrap'の少し上に) 動かしてください。
504         set so=0 ~
506 "$" コマンドでカーソルを "0" の上に動かし、"r5" で値を 5 に変更します。<Enter>
507 を押すと、その値が設定されます。カーソルを動かしてみると、画面の端までカーソル
508 が達する前にスクロールが始まることに気づくと思います。これは 'scrolloff' オプ
509 ションのしわざです。ウィンドウの端からのオフセットを設定し、スクロールが開始す
510 る位置を指定しています。
512 ==============================================================================
513 *05.7*  よく使うオプション
515 Vim には本当に大量のオプションがあります。ほとんどのオプションは使う機会がない
516 と思います。ここでは一部のよく使うものだけを説明します。これらのオプションには
517 より詳しいヘルプがあることをお忘れなく。ヘルプを見るには、":help" に続けてアポ
518 ストロフィで囲んだオプション名を指定してください: >
520         :help 'wrap'
522 オプションの値がおかしくなってしまったら、初期設定に戻すことができます。初期設
523 定に戻すのにはアンパサンド(&)を使います: >
525         :set iskeyword&
528 行の折り曲げの禁止
529 ------------------
531 長い行は、文の全体が見えるように、画面の右端で折り曲げて表示されます。しかし
532 ウィンドウの右にはみ出した方が良い場合もあります。その場合は、左右にスクロール
533 して長い行を表示することになります。次のコマンドで折り曲げしないようになりま
534 す: >
536         :set nowrap
538 表示されていない領域にカーソルを動かすと自動的にスクロールされます。10 文字ず
539 つスクロールするには、次のようにします: >
541         :set sidescroll=10
543 これはファイルの内容には影響しません。表示方法を変更するだけです。
546 折り返して移動するコマンド
547 --------------------------
549 ほとんどの移動コマンドは行頭と行末で移動を停止します。'whichwrap' オプションで
550 それを変更できます。次の例では、'whichwrap' を初期設定に設定しています: >
552         :set whichwrap=b,s
554 ここでは、<BS> キーで行頭から 1 つ上の行の行末へ動くことを許可しています。ま
555 た、<Space> キーで行末から次の行の行頭への移動することを許可しています。
557 カーソルキーの <Left> と <Right> もこのコマンドで折り返しを許可できます:  >
559         :set whichwrap=b,s,<,>
561 この指定はノーマルモードでのみ有効です。挿入モードでも <Left> と <Right> を許
562 可するには次のように指定します: >
564         :set whichwrap=b,s,<,>,[,]
566 他にもいくつかフラグがあります。詳しくは 'whichwrap' を参照してください。
569 TAB を表示する
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572 ファイル中に Tab 文字があっても、それを視認することはできません。Tab 文字が表
573 示されるようにしましょう: >
575         :set list
577 Tab 文字が ^I と表示されます。行末には $ と表示され、通常なら気付かないよう
578 な、行末の空白もよくわかるようになります。
579 これの欠点はファイルに Tab 文字がたくさんあると見づらくなる点です。カラー端末
580 か GUI を使っている場合は、空白と Tab 文字を別の文字に置き換えて強調表示するこ
581 とができます。'listchars' オプションを使ってください: >
583         :set listchars=tab:>-,trail:-
585 Tab 文字は全て ">---" と表示され、行末の空白は "-" と表示されます。この方が
586 ずっとイイと思いませんか?
589 キーワード
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592 'iskeyword' オプションは単語に使える文字を定義しています: >
594         :set iskeyword
595 <         iskeyword=@,48-57,_,192-255 ~
597 "@" は「すべてのアルファベット」を表しています。"48-57" は ASCII コード の 48
598 から 57 までの文字、つまり "0" から "9" までの数字を表しています。"192-255" は
599 印字可能なラテン文字です。
600 例えば、"upper-case" を1つの単語と扱って欲しい場合は、"-" をキーワードに追加
601 します。次のように設定してください: >
603         :set iskeyword+=-
604         :set iskeyword
605 <         iskeyword=@,48-57,_,192-255,- ~
607 新しい設定をみると、"-" の直前に "," が自動的に追加されています。
608 キーワードから文字を削除するには "-=" を使います。アンダースコアを削除するには
609 次のようにします: >
611         :set iskeyword-=_
612         :set iskeyword
613 <         iskeyword=@,48-57,192-255,- ~
615 "_" を削除すると "," も自動的に削除されました。
618 メッセージ行
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621 初期設定では、最下段の一行がメッセージの表示に使われます。メッセージが長いとき
622 は、メッセージを切り詰めて一部だけ表示するか、メッセージをスクロールして表示
623 し、最後に <Enter> を押してもらうかのどちらかです。
624 メッセージの表示に使う行数は 'cmdheight' オプションで設定できます: >
626         :set cmdheight=3
628 編集画面が狭くなってしまうので、ほどほどの値を設定してください。
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632 次章: |usr_06.txt|  構文強調表示
634 Copyright: see |manual-copyright|  vim:tw=78:ts=8:ft=help:norl: